嫌われ者
幼い頃から、ワタシは嫌われていた。
なぜ。
なぜワタシだけ殴られて
蹴られて
唾を吐かれて
罵られて
無視されて
嫌われて
それでも耐えているのだろう。
ある大人が、こう言った。
お前はね、
この村の不幸を全て持っているんだよ。
お前が不幸になればなるほど、
この村は幸せになる。
ワタシは、大人に言った。
ならば。
ワタシがこの村を壊せば、
ワタシが不幸になる必要は無いの。
幸せになれるの。
大人は答えなかった。
広場で遊ぶ子供たちの笑顔が、眩しかった。