8thEpisode かくれんぼ
「かくれんぼ?」会場は謎めいた空気に包まれた。「この理不尽で長かったデスゲームを締めくくるのはかくれんぼです。君たちはこの遊園地内で隠れてもらいます。全72人の内、残り15人になったらゲーム終了です。つまり57人は死ぬんですよ。君たちの背中にある手の模様、分かりますか?そこをタッチされたら死にます。そして君たちのことを追いかける、すなわち、鬼はこの人達です。」そういうと会場の壁にかかってたカーテンが一気に外れた。周りには様々な人がいた。「では、頑張って逃げ切ってくださいね。かくれんぼ、よーーいスタートです!!」そしたら周りの会場の扉が一気に外れた。「え?ここからスタート?」周りには鬼がいる。鬼が次々と背中をタッチしていった。ゆうとはおじさんと牧を連れてうまく抜け出していた「どっか隠れられる場所しってる?」ゆうとが二人に聞く「あーそれならいい場所があるで」そういいおじさんに案内されたのは廃止されているアトラクションの中のごみ箱だった。10人ぐらい入るスペースがある。先客が3人いた。ゆうとと同い年ぐらいだった。名前を聞く暇なんてなかった。「それより、おっちゃん。よくこんな場所知ってたな?」「ああ、この遊園地は昔から大好きだったもんでな」「え?最近リニューアルオープンしたんじゃないの?」おじさんは笑う「なに言っとんじゃ?この遊園地は昔からあるじゃろ」牧も続けて言う「うん。僕の小さい頃からあるよ」ごみ箱が開く音がした。ゆうとの指示で全員は息を殺した「ここにはさすがにいねーわ」そう鬼の内の一人が言うとごみ箱は閉まり、去っていく足跡が聞こえた。ゆうとは恐る恐る蓋を開ける。目の前には20人ぐらいの鬼が待ち構えていた「みーつけた」「逃げろーーーーーー」ゆうとがそう叫んで逃げようとした。ただし先ほどの3人は鬼に捕まって死んでしまった。ゆうとたちも淵に追いつめられた。「ここは僕が囮になるから逃げて」牧が言う「全くお前は、本当に死にたがり屋だな。でもよお、鬼を殴っちゃダメなんてルールないよなあ。背中さえ触られなきゃいいんだ」そういい、ゆうとは近くにあったトラックに乗り、鬼を轢こうとする。当然鬼は逃げていく。その内に牧とおじさんをトラックに乗せた。しばらくすると燃料がなくなり、鬼が追ってきた「とりあえず固まったら全滅だ。とりあえず散るぞ」ゆうとがそう言い、それぞれ別の道に進んで行った。ゆうとの方には2人おってきた。「全くしつけえ野郎だ」そういいそこらへんに落ちてたオイルをまき散らし、鬼の体にもかける。マッチをこすって脅す。「焼かれたくなかったら手を頭の後ろにつけて、全てを話せ。ってお前は!?」「ゆうとぉぉ、すまねぇ。本当にすまねぇ」鬼の中の一人は、バイトの同期で、ゆうとに遊園地のチケットを渡した、つまりゆうとたちがこうなった原因の人物である。「全部洗いざらい話してもらおうか」ゆうととそうたは個室のようなところに入った「まずはごめんなさい。こうするしかなかったんだ。俺が借金に追われていることは知っているだろう。なんとかバイト代でやりくりしてたが、妹が病気になったんだ。そこからはもうそこで借金を借りられなくなった時にあの人が現れたんだ。」「誰だ?」「ごめん…それは、言えないんだ。このイカれたゲームの主催者で、世間の未解決事件のほぼすべてに関わっている。そんな人だ。俺はそんなやつにお金をもらったんだ。働きさえすれば、金は返さなくていいって」「いくらもらったんだ」「1億…しょうがなかったんだ。あいつを救うために」「なんで、俺に言ってくれなかったんだよ」「だって、お前…いやなんでもない。」「で?なんで俺を遊園地に招待した?」「正確にはお前じゃなくて、柏木るなの方だ。なんでかは知らないけど、金のためにしょうがなかったんだ。ここに集められたのは全員、お前やるなのように、チケットで招待されたやつらだ。そしてこの『かくれんぼ』の鬼は全員、招待した側の人間たちだ。」「なんでるなたちは選ばれたんだ?」「分からない。」扉の開く音がした。それは鬼ではなく、黒いスーツの男だった。そしてゆっくり近づき、そうたの頭に銃口をつきつけた「ごめん、ゆうと。少し喋りすぎたようだ。8の部分に気をつけろ。後、あいつの名前はグハァ」そうたはスーツの男たちに銃を撃たれて、頭から血をダラダラ流す。「・・・・たつやだ…ゆうと…ごめん…」そうたが最後の力を振り絞って言う。ゆうとは泣き崩れる「なんで、なんでこんなことするんだ?」ゆうとがスーツの男に殴りかかるが返り討ちにあう「あのお方の命令だ。こいつは少々喋りすぎた」スーツの男たちが出て行った。ゆうとの頭の中は混乱していた(そんな…そうたが…ていうか、なんでるなをこんなデスゲームに…今はとりあえず、あいつらだ。どこ行ったんだ?)ゆうとはちょくちょく鬼に会いながらも、隠れたり襲ったりしてなんとか切り抜けた。そして牧と合流した。二人は強く抱き合った「生きてた…よかった」そしてまたおじさんを探し続けるが見当たらない。ゆうとは嫌な予感がしてた。そして牧が気づく「あれ、おじさんじゃない?」振り向くとおじさんがいた。「おっちゃん!!」ゆうとはおじさんの方に駆け寄る。おじさんが自慢げに言う「わしも、ただ逃げてたわけじゃないんだよぉ。少しでもあんちゃんの役に立ちたくて、ずっと鬼の後をつけてたんだよ。」「え!?すごい!よく死ななかったね、何か分かったことはあった?」「お前さんたち、不自然だと思わない?完璧に隠れられてるって思っても鬼が追ってくるの。それにはね、理由があったんだよ。実は俺らにはGPSがついてるの。でも鬼たちはスマホを使ってないし、どうしてるのかなって思ったの。そしたらーなんかトランシーバーのちっちゃいやつみたいなのが、耳についてて、それで、俺らの居場所を伝えているらしい。」「それ本当、おっちゃん?」「ああ、しっかり聞いたから、きっと間違ってないわい。」そしてアナウンスが流れる「残り16人、残り16人」「残り16人ってことは、あと一人捕まったら僕たちの勝ちだ!」牧が嬉しそうに言う。ゆうとはさっきのことを思い出す(そういえば…あいつ、主催者の名前を言う前に、もう一回なんか言ってたような…8の部分。たしかバイト時代に胸とか尻とか言うとセクハラになるから暗号みたいな感じで決めてたっけ。たしか8番は…おっぱ…いや違う。胸か…そっか!おそらく胸についてるこのパネルだ…ここにGPSが仕込んであるのか。タチ悪いなぁ。だから何って話なんだけどな)ゆうとは考え事を終え二人にこのことを伝えようと思っておじさんの方に振り向いた「わかったぜ、おっちゃ…はッ」おじさんは死んでいた。ゆうとは目を一回こするが、おじさんはしっかり死んでいた。(なんでだ、近くに鬼はいないし…)一つの空の薬きょうが転がってきた「あ…あんちゃん。」「生きてるのか、おっちゃん!任せろ、今医務室まで運ぶから」「いや、もういいんだ。自分の死期ぐらいわかる…」「そんな、おっちゃん」ゆうとと牧は泣き叫ぶ「叫ぶな…せめて遺言ぐらい、聞いてくれ…わしはずっとどん底だった。詐欺に騙され、嫁に見捨てられ、娘も大学を中退させる羽目に遭い、ブラック企業に入り、このまま死ぬまで働くのかと思った。だから、最期にあんちゃんたちと、喜んだり悲しんだりしながらゲームをクリアできて嬉しかった。楽しかった。もうわしに悔いはない。でも…一つ心掛かりなのは、娘だ…わしの借金のせいでずっといいことがなかった娘に、いい思いをさせてやりたい。わしはまだ脱落判定ではない、そこの若造に銃を撃たれちまった」おじさんが指を指す方向に銃を構えているチンピラな男がいた。ゆうとと牧は睨みつづける。「だから…牧君の彼女がやってたことができる…」「もしかして…」「ああ、そうだ。今からゆうと君に5000万さずける。その内ちょっとだけでもいいから、栄駅のゲームセンターで働いてる大島そらに渡してあげてくれんか。あんちゃんは絶対このゲームを全クリできる。頼んだぞ」そういいおじさんは自分のプレートを0→マイナス5000万にして死んでいってしまった「おっっっっちゃああああああん」ゆうとは高く空に向かって叫ぶ。アナウンスが流れる。「ピンポンパンポン、まもなく『かくれんぼ』終了です。ただちにスタート位置にお戻りください」




