第7章 ヘリオス山中、永井家のキャンプ
【まえがき】
今回は久しぶりに家族でキャンプ? いやいや、異世界で山中泊です。
久しぶりのアウトドア、ミサオもクミコもジョロも、それぞれの形で楽しみます。
でももちろん、ただの楽しいだけでは済まないのが、永井家の運命……。
【本文】
山登りなんて、何十年ぶりだろう。クミコちゃんもそうだろう。
(はい、舐めてました、スミマセン!)
ジョロだけは鼻歌混じりでご機嫌だ。身体強化もイザっていうときの為に使っていないため、結構ツラい。
それでもなんとか、中腹近くの木々の隙間までたどり着く。
「やっぱり歳って残酷よねぇ……」
「いやいや、クミコちゃんは、ずっと可愛いスィートなハニーだって!」
「マミもパピも、ハァハァ言ってるけど、どしたの?」
ミサオは町の自宅にすぐ転移して、元の場所に再転移する。お泊りセットを持ってきたのだ。
広げればすぐ使える簡易テント、ボンベを使うコンロに鍋、簡単なアルミの食器類、LEDランタン、虫除けのスプレー、そして、レトルト食品。まるっきり、初心者のキャンプである。
「……さすがに火起こしとか、無理だったわぁ。」
クミコがランタンを灯しながら、苦笑いする。
「それでもキャンプっぽいし、ジョロは楽しそうだし、いいよな!」
「ジョロ、初めてのお泊りキャンプ!わくわくだよ!」
かくして、夜を待つ永井家。
星がまたたく夜空の下で──。
小さな焚き火と、家族の笑顔が揺れていた。
【あとがき】
今回は、ちょっとだけほのぼの回。
でも、もちろん油断はできませんよね……?
次回からいよいよ、本格的な遭遇戦へ!
お楽しみに!