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56.最終決戦

「アンリエッタ!? なぜ、貴様らがここにいる?」



 扉が開いて現れた人物に驚きの声をあげるヨーゼフだったが、それは俺も同じだった。

 あのアンリエッタがエレナとセリス……そして、ソロモンを引き連れて俺たちの前に立っているのだ。

 その姿はかつてのパーティーを組んでいた時のようで……



「ヨーゼフ……いえ、オセよ!! 我々をだまし、和平を望む魔族を殺させようとした罪は王国の貴族として許すわけにはいかないわ!!」

「いったい何をいっている。ふざけたことを言っている場合か!! 私は魔族などでは……ぬお?」


 ヨーゼフがしゃべっている間にも閃光がとんでくると苦しそうに顔をゆがめるのが見えた。

 


「おやおや、今のは魔族にのみ害がある聖なる光でしたが、ずいぶんと効果があったようですね。不思議なこともあるものです」


 

 それを見てセリスが澄ました顔で答える。彼女の背後で光を直視したソロモンが悶えているが気にしないでおこう。



「くだらんことを……だいたい衛兵たちはなにをやっているのだ? 魔族をいれるなど……」

「ふん、わしら魔王殺しの英雄を馬鹿にしすぎじゃよ。貴族としていまもこの国で戦い続けている英雄アンリエッタ。教会最高の癒し手であり、心優しき(笑)聖女のセリス。そして、千年に一度の美少女であり、聡明なるエルフのわしが道をあけてくれと言ったら皆喜んで道を通してた上にみんな避難してくれたわ!! 人間の英雄に対する信頼を見誤ったのう」



 どや顔のエレナの言う通り、戦いがおきているのに彼女たち以外の人間が現れないのはそういうことなのだろう。

 心強い援軍を見つめていると、アンリエッタとも目があった。彼女は気まずそうに表情をゆがめ……俺もいきなりのことでどうすればいいかわからなかったが……黙ってうなづくと、嬉しそうにほほ笑んだ。



「それに、私たちだけじゃないわ。ファントムも皆のために戦っていると言ったらみんな喜んで従ってくれたの」

「お、裏切者がいいところをとっていきましたね」

「ぐぅ……」



 セリスの毒舌にアンリエッタが胸を押さえ、エレナがあきれたとばかりに顔をすくめている。

 そんな中、ソロモンが一歩踏み出した。



「オセ……あなたはもう終わりです。父から奪った力を私に返し、魔界に戻りなさい。そうすれば命だけは許してあげましょう。そうですね……アモンにでもお尻ぺんぺんをしてもらいましょうか」



 言っていることはかわいらしいがその表情には威厳がこもっており、魔王の片りんをみせる威圧感のある雰囲気を醸し出している。そして、ただではすませまいと彼女の足元では影の手がいつでもオセを捕らえるぞとけん制している。



「師匠……戦わなくて済みそうですね、はやくセリスさんに癒してもらいましょうね」

「ああ、そうだね……」



 ティアが心配そうに俺の肩に胸を押し付けながらも顔を覗いてくる。気恥ずかしくなって顔をそらすと、すごい目でこちらを見ているセリスと、悲痛な表情のアンリエッタが見えてなんかとても悪いことをしている気分になってしまった。

 


「ふ……ふはははははははははは!!」

「何がおかしいのです? オセ!?」

「私が何の奥の手も残していないと思ったのか? ソロモンよ、貴様の魔力も奪い完全なる魔王となってみせよう!!」



 オセの体内から圧倒的なまでの魔力があふれ出していく。その魔力は先ほど戦ったグラシャラボラスのモノに似ていながらそれを凌駕しており……おそらくグラシャラボラスより借りた魔力のすべてを解放したのだろう。

 だけど、怖くないはなかった。



 力を開放したオセの体が一回りおおきくなるかわりに限界を超えかけているのだろう。全身がきしんでいるのがわかる。

 グラシャラボラスの魔力にオセ自身が耐えきれていないのだ。 

 それに、今の俺たちはカイン以外の魔王殺しの仲間がおり、ティアやソロモンなどの頼りになる二人もいるのだ。今の俺たちならばグラシャラボラスの完全体でもまけるきはしない。




ゲームだと前作のキャラが集合して戦うのむっちゃ熱いですよね。


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