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社会人一年目の秋
すっかり辺りが一面黄色く染まるこの季節、私は必死で仕事を覚えることに精一杯になっていた。
と言っても、少しずつ仕事にも慣れて、時に叱責されることもあったが、仕事にやりがいを感じ始めていたのも又、事実である。
春に比べたら、仕事をするペースもわかってきた気がするので、それなりに自分なりに頑張って、介護の仕事をしていたのかなと思っている。
まだまだ一年目の時は、不安や緊張感があって、それがぬぐえない状態ではあった。
仕事でミスをすることもたくさんあった。
それでも、利用者さんともたくさん会話できたし、交流することもできた。
学生と違って、社会人になると、大きな責任がどうしても伴ってくる。
そこから、逃げ出したくなる時もあった。
しかし、何とか持ちこたえて、仕事に専念することで、少しでもみんなの力に慣れているのだなと実感はしていた。
秋、物悲しくなって、センチメンタルになる季節。
それでも、着実に成長していることが自分でもわかるそんな気がしていた。