表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/9

夢か?現か?


「…ん…い?」

遠くで声が聞こえる。


「せ…せ…?」

誰かが私を呼んでいる…。


「先生。大丈夫??」

我に返り声の主を探すとー

御子神が可愛らしい眼で私を見つめていた。


「顔色悪いよ。」

心配そうに私の様子を伺っている。


「大丈夫よ。昔の事を思い出していただけ…。」


ー昔?本当にそうなのだろうか?


眼前の少女の言葉に充てられてー

私は白日夢を見ていたのではないだろうか?


私達、親子は無傷で生還した。

それは間違えようの無い真実だ。


抜け落ちていた記憶がー

唐突に甦る事等、有り得るのだろうか…。


私は無意識に服の裾を上げる。


「えっ?」

私の右腕にはうっすらと歯形の様なモノが見える。


「こんなのあったっけ?」

記憶なんてモノは曖昧だ。


意識していないモノ。

意識してはいけないモノは記憶として処理はされない。



「虫に刺されたの?」

御子神は言葉を発する。


「うん。」

私はぎこちなく答える。

そしてー

もう1度右腕を見た。


ただの傷痕の様にも見える。


キーンコーンカーンコーン…。

キーンコーンカーンコーン…。


「お昼休み終わったから教室に戻るね。お話ありがとう。楽しかったよ。またね~。」

御子神は無邪気な笑顔で保健室を去っていった。



私はー

モヤモヤとした気持ちで満たされていた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ