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夢現


私はー

【かくれんぼ】をしていた。


私は見つからない様に隠れていた。

あの【般若】の様な顔をした【母親】からー

逃げて隠れていたんだ。


そうだ。

飛行機が大きな音を立てて爆発してー

私達は人里離れた深い森に投げ出された。


意識を取り戻し、重たい瞼を開けると…。

眼前に広がったのは地獄絵図だったのだ。


プスプスと音を立て燻る肉塊。

何とも形容しがたい匂いを放つ肉袋。

人であったであろうモノ。

呻き声や悲鳴。言葉にならない声。

口腔に広がる錆びた鉄の味。

チリチリと肌を焼く火柱。

五感を刺激する感じた事の無い感覚。


そうだ。

私達は【異界】に紛れ込んでしまった…。


そしてー

其処に存在していたのはー

圧倒的な絶望と恐怖ー

そして狂気だったのだ。


墜落した地域は未開拓の地域でー

人の手が加えられていない自然に囲まれていた。


だからだ…。


救助が来るまで、かなりの日数を要した。


生き残った人々は救助を待っていた。

いつくるかも解らない状況で待つと云う不安がー

此処彼処(そこかしこ)に転がっていた。


奇跡的に無傷だったのは、私達親子だけだった。

辺りの人々は何処かしらに傷を負いー

身動きがとれない様に見えた。

そんな私達に注がれる人々の視線。

妬ましいと羨む瞳。怨み。罵声。怒号。

時折聞こえる【我が子を探す親の声。】



幾日か経った頃。

耐え難い空腹が意識を満たしていった。

喉は渇き、込み上げる飢え。


そんな中ー

1人の男性が這いずりー

辺りにいた人の足を掴むと齧りつき貪った。


気が触れたのだ。

発狂したのだ。


そしてー

それは伝染病の様に【感染】していく事になった…。



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