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36話 西ノ宮才蔵

 01



 西ノ宮才蔵は東雲の監視を通して俺と冬雪が付き合ったことを知った。西ノ宮家次期当主と勝手に決められた冬雪が、一般市民である俺と付き合うことが許せなかったのか祖父直々にぶち殺すと手紙には書かれていた。

 翌日、俺は手紙に書かれていた内容を恐る恐る冬雪に伝えると冬雪は祖父に対して怒りをあらわにしていた。自分よりも一回りも二回りも大きいナツキに対しても啖呵を切れるほど冬雪はいつの間にか成長している。最初に出会ったころは触れてしまえば消えてしまいそうな脆さがあったのに今は見る影もない、俺と出会ったことが影響になっててくれたら嬉しい。



 翌日、俺は自室にアキ、師匠、詩織、莉奈、冬雪、五月さんを呼んで作戦会議をすることにした。現当主からの直々の宣戦布告、罠がない訳じゃないから念入りに作戦を考えていくことにした。東雲は西ノ宮才蔵が伝えた日にちに西ノ宮本邸に行かなければ何をするかはわからないと言った、これはある意味脅迫だ。わざわざ脅迫するということは余程俺に頭にきていると思ってもいい。作戦会議後、俺は師匠に呼び出された。





 「話って何ですか?」





 師匠は冬雪のお父さんの悪事を判明させる音声を学園に発表したあと、西ノ宮家について色々と調べていたらしい、いつものふざけた態度ではなく、元特殊部隊の人間として真剣な眼差しで俺に忠告をした。







 「西ノ宮本邸には私と同じ実力者の人間がぞろぞろいる、わざわざ挑発に乗る必要はないんじゃない」





 本邸の警備には師匠と同じ実力の人間が多数配置されている、いくら作戦を立てようが無駄と師匠は言った。確かに勝ち目はこちら側からすると薄い、だけど逃げるのはやりたくない。





 「……俺は冬雪が幸せになれるなら何だってします、例え相手が殺人鬼であろうとも俺は戦います」





 かつて冬雪が俺の心を救ってくれたように俺も彼女が幸せに暮らせるようにしてあげたい。それが俺の望みだ。





 「今回の場合は冬雪ちゃんもついているんだよ。……ちゃんと守れるの」







 「どんなことがあっても必ず守ります」







 冬雪だけを置いていくことは出来ない、冬雪なりに言いたいこともあるだろう。師匠は俺の気持ちをわかってくれたのか、ため息をつきながらも渋々了承してくれた。











 02



 一週間後、俺たちは期日通り西ノ宮本邸にやって来ていた。西洋建築のお屋敷で百人以上の人間が楽々と収納できる広さだった、正門、裏門とも警備で固まっておりそう簡単には入れそうには無い。





 「仕方ない……プランBで行くしかないか」







 プランAは警備が手薄だった時、そのまま強行突破をするという名目だった。プランBは爆竹などの音がなる物を置いて警備の目を掻い潜るという作戦だ、裏門に警備はいるが正門よりかは少ないためプランBのまま実行が可能だ。師匠は慣れた手つきで爆竹を放り投げ、自分を警備に引き付けた。



 「後は頼んだよ、桜ちゃん」





 「ごめん、師匠!」




 裏門へ行き、少人数の警備を蹴散らしたあと俺はアキたちと別れた。詩織が言うには西ノ宮才蔵は屋敷の最上階にいるらしい。

 俺は冬雪の手を取り、屋敷の裏口から侵入する。屋敷内にいたボディーガードは数人がかりで来たが簡単に蹴散らす事ができた、だがどんどん人数が増えると厄介だと思った俺は急いで階段を登っていった。最上階に辿りつくと予想どおり東雲が扉の前で待ち構えていた。







 「やっと来たね、二人とも、遅かったじゃん」





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