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32話 告白

  01







 十年前、俺は迷子になっていた冬雪と出会い、恥ずかしながら一目惚れをしてしまった。冬雪は小さいときから既に完成されていた美貌を持っていて、幼いながら恋人になりたいと思った。だが当時の俺はガキ大将と周りの子供たちに崇められてしまい、好きという言葉を中々言えることが出来なかった。冬雪と一緒に遊ぶのが楽しくてこのまま時間が過ぎなければいいと思っていた。アイツを連れ戻しに来た黒服の男たちに立ち向かおうとしたが、力の差を見せつけられた。でも今は違う、十年前みたいに力がない子供じゃない。今の俺には冬雪を守ってあげられる力がある、大切な記憶を忘れておいて今更何を言っているんだと思われるかもしれないが二度と同じことはしないと誓う。

 





 「今更こんなことを言うのもおかしいかもしれない。俺もずっと前から冬雪が好きだよ」







 「私のヒーローでいてくれてありがとう、桜くん」









 前回は心配しすぎるあまり、強く抱き締めてしまったけど今回はぎこちない手で冬雪の肩を掴む。もう絶対に冬雪を忘れたりしない、何があっても俺は冬雪の味方にいてやりたい。





 「二度と冬雪を手放したりしない」







  02





 「ようやく付き合えたのか、遅かったな」







 「遅いって言うな。……その色々と悪かったな、俺がメンタルやられてる間も普段通り接してくれて」







 冬雪とは一旦別行動を取った俺はアキと会うことにした。莉奈といっしょにいるかと思ったがどうやら冬雪と同じように新しくできた友達と文化祭を楽しんでいるようだった。





 「なぁに気にすんなよ、親友なら当たり前のことだよ。色々と吹っ切れたようだな」





 

 「まさか詩織ちゃんのメイドと戦ったときに全部思い出すとは思わなかったよ」







 四月からずっと傍にいるのに全く思い出そうとしなかった俺に痺れを切らした神様が機会を設けたのかなとアキは冗談を言った。否定する気にもなれなかった俺は笑うしかなかった、情けない。





 「でも俺は今のお前の方が好きだぜ。前の桜も悪くなかったけど、今の方が明るくて話しやすい。……変な意味じゃないからな?」









 好きという言葉に慣れていなかった俺はアキの発言に対して顔を真っ赤にしてしまった。アキはこんな俺にもずっと俺に付いてきてくれた大切な親友だ、そんな奴に好きと言われると照れてしまう。だからと言って俺が好きなのは冬雪には変わりはない、友達としてアキは好きだ。







 「分かってるよ。俺さ、今度の休みに実家に帰るつもりなんだ。今までのこと家族に謝らないといけない、ずっと支えてもらっていたのに」







 全ての記憶を思い出した以上、俺は家族に謝らないといけない。彼らはずっと性格が暗くなった俺を見守ってくれていたのに俺は下に見ていた。過去の俺とケジメをつけるためにも俺は前を歩くしかない。







 「……お前が選んだ選択だ、止めはしない。頑張れよ」





 アキにどことなく違和感があったが、俺は気にすることは辞めた。……そういえば弟の奴元気かな





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