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27話西ノ宮詩織編3 特訓

 01



 「……おい、大丈夫か桜」





 目を覚ますと、目の前にアキがいた。アキは顔が傷だらけで何が起きたのかは明白だった。





 「……何時間ぐらい気絶してた?」





 「ざっと二時間程度だな」





 メイド長たちの襲撃から俺は二時間も寝ていたことになる。……油断していた、継承戦といっても少人数の部下しか使わないと思っていた俺が馬鹿だった。





 「桜ちゃん大丈夫だった!?」





 扉が開くと同時に師匠が血涙を流しながら、俺に抱きついてきた。相変わらずこの人は心配性だ、だけど今はこの心配がとてもありがたかっ。泣き叫ぶ冬雪を俺は守ってあげれなかった、またあの時と同じ繰り返しになる。





 「俺、また守れなかったよ先生」





 「そんなことない、桜ちゃんもアキも充分戦った。ただ相手が格上だっただけ、でも二人はここで諦める人じゃないでしょう?」





 「「当たり前です!」」





 俺とアキは珍しく息が合う。このままやられたまんまじゃ気が済まない、奴らに受けた仕打ちは倍にして返す。





 「桜ちゃんの純潔を汚したアイツらには必ず報いを受けてもらう必要があるわ……!」





 師匠は俺に対してだけやけに過保護だ。男だとわかっているはずなのに女の子扱いして、俺に傷つけた奴を血祭りに挙げている。俺としては女の子扱いされるのは嫌だが、それだけ俺を愛してくれているということだ。気恥しいが、心配をしてくれる人は大事にしないといけない。





 「……絶対殺す!」





 ちなみに彼女が殺すと発言したときはシャレにならないので止める必要がある。

 時刻は夜中の十二時、俺とアキは師匠に連れられていつもの場所に行くことにした。幸い明日は五連休だ、外出届けさえ出せば問題ない。





 「やられたら、やり返す。さぁ、特訓するわよ二人とも」







 俺とアキは師匠の実家に来ていた。師匠の実家は西ノ宮家と比べると権力はないが、並大抵の人間なら簡単に黙らすことが出来る。彼女は権力には頼らず、実力で海外の特殊部隊に入隊することが出来た。細身の女性が男だらけの部隊の中で副隊長の地位を掴めたのは師匠しかいない。日本に帰ってきたあと大学で教員免許を取得し、生徒に囲まれた余生を過ごそうとしたところで俺やアキと出会ってしまった。

 俺たちのどこが気に入ったのか、師匠は俺とアキを地元じゃ負け知らずのヤンキーに育てあげてしまった。後遺症のせいで内向的になった俺に守る術を与えてくれた師匠には感謝しかない。





 「ある程度手加減してくれると助かるわ師匠」





 「アキ、アンタには手加減しないからね覚悟しなさい」





 俺に手を抜くと師匠は言っているが、手を抜いたとしても絶対に勝てない。だから俺も油断はできない。







 「師匠とまた特訓できるの嬉しいです」





 師匠が出す嬉しさの声と同時に特訓が始まる。









  02







 日曜日、俺とアキは師匠の厳しすぎる特訓のあと二人で休憩を取る事にした。





 「相変わらず手加減しないなあの人は」





 師匠の実家内にある自販機から缶ジュースを取り出したアキはかなり疲れきっていた。師匠と一体一の殴り合いを長時間行い、一方的に殴られた。対して俺は師匠からのハグを避けるという訳の分からないトレーニングを行った結果、百回ぐらい抱きつかれてしまった。



 「でも強くはなった気はする」







 「体感的にはそう思うかもしれないが実戦で戦えなきゃ意味がない。……俺は莉奈を守れなかった」





 アキはジュースを飲み干した後、神妙な顔をしながら口を開いた。以前から思っていたことだが、アキは莉奈のことをどう思っているのか気になってはいた。莉奈は女たらしとは言っていたが……俺はアキが莉奈について語り出す顔をみて気づいた。アキは俺と出会うまえに莉奈と出会っており、その頃から執事をしていたと話した。





 「莉奈は俺にとって命の恩人だ、アイツがいなきゃ……今の俺はいないようなもの。だからもっと強くならなきゃいけない、莉奈に見合う人間に」





 初めて親友の本心を知れた俺は嬉しかった。だからこそ、アキがこれからも莉奈といっしょにいられるようにするために俺は詩織たちを倒す!



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