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月が綺麗なお話  作者: マナティ
21/23

勝敗

一斉に声の方を見る。


ドアの外に、野村とココアと青菜が立っていた。


「野村…!青菜達と逃げろ…!」

僕は叫んだ。何してるんだ!僕が時間を稼いでいたのに…!


松岡は

「野村!お前らグルだったのか…!どうやってミアキスを奪った?!」

と焦っている。


ただリーダーの男は落ち着いていた。

「野村くん…というのかな。はじめまして。君は今、僕らに指図できるほど有利じゃないと思うよ。僕たちが全力でかかっていけば、君らを取り押さえるなんてわけもない。」


そう言って、建物内にいた男2人に顎で合図した。

それを見た男達はうなづいて、ゆっくり入口のドアに近づいていく。


すると…


「それ以上近づくな。」

地の底から聞こえたような声がした。


青菜だった。

こちらを睨みつけ、拳を握りしめている。


青菜の剣幕に、男達はたじろいだ。

「それ以上近づいたら、今から全頭のミアキスを呼ぶ。お前らの村をめちゃくちゃにしてやる。」


その言葉で周囲の温度が下がったような気がした。

嘘を言っているようには見えない。



ココアも

「フー!!!!!!」

と威嚇している。


これにはさすがにリーダーの男も黙ってしまった。

代わりに松岡が

「何してる!お前らさっさと行け!」

と男達に怒鳴りつける。


しかし

「わかった。今回は引くとしよう。」

リーダーの男がポツリと言った。


松岡がぽかんとして

「え。いいんですか?」


「あぁ。村人が死ぬかもしれん。下手したら村がなくなる。あのミアキスの大群が来たら、無防備な状態の今の村だと太刀打ちできない。今は無理だ。今はな。」

リーダーの男はそう言って不敵に笑った。


「じゃ、お先に失礼するよ。僕は前川だ。また合う日まで。お嬢さん。」


そう言ってリーダーの男:前川は、ほかの男たちと松岡を引き連れて帰っていった。


松岡は悔しそうに、

「明日覚えてろよ。」と怒鳴った。


野村がポツリと

「悪役のセリフじゃん。」

と言った…。

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