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月が綺麗なお話  作者: マナティ
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待ち合わせ

夜7時。真白湖の東側に僕はいた。


親には勉強してくると言って自分の部屋に引きこもったように見せかけ、こっそりと外へ出てきた。


これだけの労力を使ったのだから、野村には当然僕より先に来て、できればおやつでも持ってきて僕をもてなして欲しかった。(何しにきたんだ。)


それはやり過ぎか。


しかし奴は約束の7時を過ぎても現れない。


一応通りがかった大人にバレないように、草むらにしゃがみこんで待っていたのだが、


僕はもうイライラして、立ち上がり辺りを見回して、あと5分待って来なかったら帰ろうと思った。


3分くらいたったころ、


タッタッタッタ…!


と誰かが駆け足でやってくる音が聞こえた。


僕は当然野村だと思ったが、万が一違った時のために、そっと草むらにしゃがんだ。


その足音は近くまでやってきて、止まり、

しばらく黙ってから、


「お〜い!!!!佐々木君!」

とでかい声で叫んだ。


間違いなく野村だ。


「ちょっ!!!!!うるさいよ!」

僕は慌てて茂みから顔を出した。


「あ!佐々木みっけ!!」

なぜか嬉しそうな野村。


「だから!静かにしてよ。」

僕は野村の口を塞いだ。


「もう…わかったよ。」

野村は嫌そうな顔をして小声で話す。


「この村の決まりは言ったろ?これバレたら面倒くさいから大人しくしてくれ。」

僕は野村に少し怒ったように伝える。


誰のためにわざわざ僕が来たと思ってるんだ。


野村は僕をじっと見て、

「うん。わかった。ありがとうな。」

と言った。


なんだこいつ素直じゃないか。案外いい奴かもな。と思ったのだが、


「よし!じゃあ早く湖の満月見に行こうぜ!競争な!」

そう言って勝手に走り出す野村。


は?と思ったが野村はもう走り出している。


「いや!!俺の話を聞け!」

僕は野村を追いかけて走り出した。





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