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月が綺麗なお話  作者: マナティ
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たくらみ

「なっ…なっ…なんで…。」

僕はそれだけ言うのがやっとだった。


しかしそんな僕を無視して、松岡は僕を引きずるように、集団から離れたところにまで連れて行った。


「いいか。今日お前の母親から学校に通報があった。自室にお前がいないと。」

松岡は無表情で僕を見下ろしている。


いつもの鬼の熱血教師ぶりは微塵もない。


「どこに行ったのか大人は総出で探したよ。それで、お前が湖の方に向かっていくのが見えて、あとをつけた。…まさかミアキスとシソーラス人と一緒とはな。驚いたよ。」


僕はなんのことなのか分からず、じっと松岡の顔を見る。


松岡は、肩をすくめると

「…この村の一部の大人だけが知ってることだ。なぜ満月の夜に出かけてはいけないと思う?」


「…。」

意味がわからない。なぜ一部の大人は知ってて、僕らだけが知らないのか。松岡が何を語ろうとしているのか。

僕はぼんやりとした顔で、松岡の顔を眺めた。

そんな僕を見て、ハァとため息をついて


「…この辺りにはな、大昔から…俺たちの村人ともう一つ民族がいたんだ。」


そう言って松岡が語ったことは、にわかには信じがたい昔話だった。



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