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番外編 動き出す者



 それはただ静かに待っていた。


 街に入る前からずっとそれは待っていた。


 たった一回の機会、己の力を存分に活かせる瞬間を待っていた。



*****


 それはただゆるやかに見ていた。


 街に溶け込み、人に紛れ、それはずっと見ていた。


 己の存在を隠し、何者にも気づかれる事なく、誰も気に留めない影のように見ていた。



*****


 それはただ穏やかに研いでいた。


 刃物のような鋭い衝動をずっと研いでいた。


 何者にも知られる事なく、あらゆるモノを切り裂く鋭さに達してもその衝動を研いでいた。



******



 それはただひたすらに耐えていた。


 万全の状態が整うまでただ耐えていた。


 何回もあったチャンスを歯を食いしばり、腕に爪を立て、心を殺しながら耐えていた。



*****


 それは止めた。


 待つ事を止めた。

 見る事を止めた。

 研ぐ事を止めた。

 耐える事を止めた。



*****




 それは動き出した。


 誰にも気づかれず、何よりも鋭い衝動を胸に秘め、待つ事も耐える事も止め、動き出した。


 

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