第3話
「よし、創り始めるか~ 」
ほんわかした気持ちを引き締め直して寝具創りを開始する。
使う素材によって神力の属性が異なり今回集めた毛は、獣属性の神力が必要になる。まずは集めてきた惰眠羊の毛を3つにわけ枕と布団を別々に創り始める。
創り方は家を建てた時と同じで、使用する神力が異なるだけである。
完成した布団を触ってみると、とても肌触りが良くふわふわで寝るのが楽しみになる♪
「あと何が必要だろ?家と布団は創ったし……ご飯!! 食べなくても平気だけど、気持ち的に必要だよね! そうと決まればさっそく森に行かなきゃ」
うきうきしながら森に入っていくと10分ほどであるものが見つかった。
「おっ、水晶花発見! やっぱり知識で知ってても見ると感動するなぁ」
水晶花は地球には無い植物で、水晶ように透明な花で地球にあるコスモスみたいな形をしている。
因みに錬金術で回復薬をつくるときに必要な材料でもあり。怪我をしたさい食べたり傷口に塗ると薬草のかわりにもなる。
「あっ、その前に木の枝で籠つくらなきゃ」
採取したものを入れる籠が無いことに気が付き、1分ほどで木の枝と木属性の神力で籠を創った。その籠の中に水晶花を5本ほど地面から根ごと抜いて丁寧に入れていく。
「そういえば森といえばあれないかな? 」
森の食材といえば、あれということで僕はあれを探しに水晶花があったところから歩き始めた。
30分ほど歩くとあれ、いわゆる山菜の王様たらの木を発見した。
「あった! たらの木!! まさか本当にあるとは……たらの芽あるかな?」
知識ではわかっていたが、僕は実際に見ると地球に存在する植物もあるんだなぁと感心しながら、たらの芽を探したが1つしか見つからない。僕は1つしかないのを採っちゃうと枯れてしまうのを思い出し、場所だけ覚えて来年こようと採らずにこの場をあとにした。
幸いたらの木を見つける途中、スイートベリーとアプルの実を見つけて採取済みだったので今日はこれでいいかと、家に戻った。
スイートベリーはとても甘く若干の酸味が堪らない木苺のようなものだ。そしてアプルの実は姿形は、りんごだが味はとても甘く噛んだ瞬間に肉汁のように甘い果汁が口いっぱいに溢れだす果物だ。
そうしてわくわくしながら家に戻った僕は、採ってきた水晶花、スイートベリー、アプルの実で簡単な料理をしようとして愕然とした。
調理器具が無いのだ。
今更ながらそのことに気がついた僕は両手、両膝を地面につきotnの体勢になった。