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「食えば食うほど腹が減るとはこの事だな」


池田一矢(いけだかずや)は口一杯にピザを頬張った。


僕のお気に入りの米国から取り寄せた洒落たテーブルに、一矢がデリバリーしたピザと寿司が並ぶ。


「本当にピザと寿司って最高の組み合わせだよな」


口から食べカスを飛ばしながら喋る一矢。


[嫌な客]とはこの一矢の事。


いつも僕のマンションにやってきては、こういった食べ物を勝手にデリバリーする。


勿論いつも支払いは全て僕のお金。


「やっぱり持つべき物は友達だよな」


僕は一矢に背を向けて雑誌を読んでいた。


こいつを友達なんて思った事はない。


ただの迷惑な男に過ぎない。


「なに読んでんの?」


一矢はくちゃくちゃと物を噛みながら僕の読んでいる本を取り上げた。


「コマ......コマンド......サンボ?なにこれ?格闘技雑誌?」


「別に」


一矢は鼻で笑いソファにドカッと腰を下ろし、更にピザを口に運んだ。


「お前そういうマニアックな本、昔から好きだったよな。本当に暗い奴だな。嫌だ嫌だ」


コマンドサンボの何が暗い?こいつ本当に馬鹿だ。


一矢のこういった嫌味はもう慣れている。こいつこそ、昔からいちいち苛々させる事を平気で口にするような男だ。


「ところでさ、なんでこんなチラシをお前が持ってるの?」


一矢はテーブルに放置されていたチラシを手にした。


島之内(しまのうち)中学校の文化祭なんてお前興味あるの?ていうか行くの?」


「この前、従兄弟の叔母さんが持ってきた」


「あっそ。で?行くのか?」


「行かないよ」


「行けよ。俺らの母校だよ」







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