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歯車の反撃  作者: クローン6号
第五章
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5-4 瘴気発生装置

俺は腕輪に手をかざす。

六つの魔石が同時に脈打ち、

六属性の光が束となって虚空を走った。


それは滅びの光。

神の因果を断ち切る、反逆の刃。


轟音。閃光。

衝突した光は、黒い瘴気を弾き飛ばし、

偽魔王の影を崩壊させていく。


その輪郭はひび割れ、

やがて砂のように静かに崩れ落ちた。


「……終わったな。」


残ったのは、空中に浮かぶ瘴気の発生源――

あの黒い球体。


俺は静かに告げる。

「このまま瘴気を絶てば、魔族は……」


「構わない。」

闇の精霊は言い切った。

「奴らの存在も、神の歯車の一部だ。その供給を絶てば、神のシステムも崩れる。」


「この気味が悪い装置を破壊しろ」

腕輪が眩く光り、六色の奔流が一点に収束する。

それは――“破壊”という名の祈り。


次の瞬間、黒い球体は光に飲み込まれ、

音もなく消え去った。


静寂が訪れる。

空間の歪みが消え、白い虚無が少しずつ晴れていく。


代わりに感じたのは、

この世界の奥底で、何か巨大な“機構”が

止まる音だった。


「……神のシステムが、一つ、失われた。」


闇の大精霊が低く呟く。

それは報告であり――鎮魂でもあった。



その頃、元勇者と偽魔王が虚空で刃を交えていた瞬間――

“神”と呼ばれる存在は、別の場所にいた。


そこは、白でも黒でもない、鈍色の空間。

天井から幾百本もの管が垂れ下がり、

淡く光る液体を脈打たせながら、

床に並ぶ無数の球体へと繋がっている。


球体の中では、形を持たない黄金の光が漂っていた。

それはゆらめきながら脈動し、時折、微かに人の影のような輪郭を結ぶ。

肉体を持たぬ精神体――勇者因子の原型。

現実ではなく、神の精神世界の中でのみ存在する“創造物”だった。


ひとつやふたつではない。

球体は果てしなく並び、どれほど歩いても尽きる気配がない。

それらが規則正しく整列する様は、祈りの殿堂というよりも、

魂を並べた倉庫のようだった。

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