表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
証言者Cは裏切る~悪役令嬢のファンなので断罪シーンで裏切ってみた~  作者: 星雷はやと@書籍化作業中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/10

第二話 断罪②

 

「……なっ、何故ですか!?」


 ジョンに対峙する女性が、悲痛な声で婚約破棄の理由を尋ねる。その声の主は、セリーヌ・ドレン子爵令嬢だ。彼女はジョンの婚約者である。理由を訊くのを当然のことだ。


 通常、貴族同士の婚約破棄となると繊細な配慮が必要とされる。婚約破棄をされた相手側に問題があるとなれば、家名が傷付くのだ。信頼性が揺らげば、取引や交渉での立場を無くす。その配慮も忘れ、学院の生徒と集めた場で婚約破棄をするなど正気を疑う。


 これではセリーヌが晒し者となるのは必至である。我々は現在二年生であり、卒業迄あと一年間あるのだ。その期間、セリーヌがこの後好奇の目に晒されるのは想像に難くない。

 いや、そのことを含めてこの『イベント』を起こしたのだろう。


 何せセリーヌは、この乙女ゲームにおいて悪役令嬢の役だ。彼女はこの場で断罪される。


「お前は成績を首席であると噓を吐いたな! その実は、教員から事前に試験用紙を買収していたのだ! それなのに! 自身が優秀だと周囲を欺き! 俺を馬鹿にした!」

「……っ!? そ、そんなことは致しておりません! 身に覚えのないことです!」


 ジョンはセリーヌとの婚約破棄の理由を告げる。


 その内容は何とも、お粗末なものだ。彼女は真面目であり誠実である。教員を買収し試験用紙を手に入れることなどしない。その様な愚策を講じずともセリーヌが優秀な人材であるのは、まごうことなき事実である。

 彼女は学院創設以来の秀才だ。入学試験では全科目満点を取り、この二年間の成績は常に首席である。それらは元からの頭の良さに加えて、セリーヌ自身の努力により実現していることだ。

 彼女の努力を否定する発言に嫌悪感を覚える。


「黙れ! そこまでして、首席という成績を手に入れたかったのか!? 卑しい女だ! 金遣いが荒く、贅沢三昧の浪費家という噂は本当だったようだな! この悪女が!!」

「……っ! 違います! 私は本当に、その様なことは致しておりません! それには、私は贅沢など……」


 セリーヌの悲痛な弁解が響くが、ジョンの怒声に搔き消される。ジョンはセリーヌのことを浪費家と称するが、それは間違いだ。

 ドレン子爵家は知識人を多く輩出している家柄である。衣食住は質素な物を好み、知識を得る本や人材の為に資金を使っているのだ。『金遣いが荒く、贅沢三昧の浪費家』というのは、全くの噓である。


「言い訳は無用だ! 更には、俺の大切なルルナに危害を加えていたらしいな!? 俺が彼女を大切にしたから、嫉妬したのだろう!? 卑しい上に心の狭い女だ!!」

「……っ!? 何のことですか? 私には身に覚えのないことです!」


 セリーヌの発言を一蹴すると、自身が肩を抱いている女性へと話題を変えた。彼女は、ルルナ・ドロン男爵令嬢である。この乙女ゲームの世界においてのヒロインだ。

 ルルナはジョンに寄り添い、勝ち誇った笑みを浮かべる。如何やら彼女はジョンと結ばれる伯爵エンドを選んだようだ。露出度の高いドレスを身に纏っているのが、何よりの証拠である。


 ヒロインであるルルナが、どのルートを選択してもこの断罪『イベント』は発生する。悪役令嬢であるセリーヌが断罪するのは、ヒロインが幸せになるには必要なことなのだ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ