表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
証言者Cは裏切る~悪役令嬢のファンなので断罪シーンで裏切ってみた~  作者: 星雷はやと@書籍化作業中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/10

第一話 断罪①

 

「むぐっ……もぐっ……」


 煌びやかな装飾が施された伯爵邸。その大広間では優雅な誕生会が開かれている。このベンガー伯爵令息の誕生会なのだ。俺はその一角で、口を懸命に動かす。贅を凝らした料理はどれも美味しい。普段、口にしている料理との違いを楽しむ。


「おい、カールソン。そろそろ集まれ」

「ん? 嗚呼、はい……」


 一人食事を楽しんでいると、学院の同級生のビリーに声をかけられた。無視をしても良いが、今の俺では反抗するのは得策ではない。最後に小さなケーキを取ろうすれば、付近に控えていた執事に睨まれる。名残惜しい気持ちを抱えながら軽食コーナーを後にした。


「全く……これからのことがあるというのに……。よく食事が出来るな……」

「腹が減っては戦は出来ませんから」


 歩きながら、俺の行動に溜息を吐くビリー。そのことに俺は小さな声で答える。この後に、ある『イベント』が起こるのだ。俺はそれに参加する。その『イベント』に参加する為に、今日このベンガー伯爵邸を訪れたと言っても過言ではない。


「……役割を果たす迄、大人しくしていろ」

「はい」


 ビリーは俺の返事を聞くと、釘を刺す。それに対して、俺は大人しく頷いた。この後の『イベント』では、関係者たちの人生に大きく影響することが起こる。それ故に俺の緊張感の無い行動が、理解できないのだろう。 

 だが、俺も緊張をしていない訳ではない。言葉通り、『イベント』という戦に備えての行動である。その『イベント』において、俺には大切な役割があるのだ。少し乱れた髪と、分厚い眼鏡を押し上げた。


 俺には前世の記憶がある。


 普通の会社員として、仕事終わりに電車でうたた寝をした。するとこの世界に転生していた。この世界は前世の乙女ゲームである。俺は実際にプレイをしたことはない。後輩が嵌っていると紹介されただけだ。だが俺はある人物のファンである。その為、今日は『イベント』に参加することにした。


 現在の俺の名前は、エディ・カールソン男爵令息だ。男爵家は爵位では一番下位である為、学院では存在価値は有って無い様なものである。要は下僕だ。今日の誕生会では、ある『イベント』が行われる予定だ。その成功させる為に、ベンガー伯爵令息より下位の者たちが集められている。


 この状況は俺にとって好都合だ。


「連れて来たぞ」

「嗚呼、手筈通りにしろよ」

「……はぁ」


 ビリーの背中を追うと、大広間の中央に近い場所に辿り着く。そこには同じく同級生であるアンドレが待っていた。彼は俺を一瞥すると、短く指示を出す。これから行われる『イベント』への指示だが、俺としては気が乗らない。しかし何も言わないと角が立つ、取り敢えず曖昧な返事だけを返す。


「セリーヌ・ドレン子爵令嬢! 俺はお前との婚約破棄を此処に宣言する!!」


 大広間の中心で一人の男が大声を上げた。ベンガー伯爵家の一人息子であり、今日の誕生会の主役であるジョン・ベンガー伯爵令息である。本日の主役ということもあり、彼の装いは派手だ。そして傍らには、露出度の高いドレスを身に纏った女性の肩を抱いている。


「始まりましたね」


 乙女ゲームの原作通り、断罪『イベント』が開始された。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ