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8.魔女協会

「おはよう、お兄ちゃん」

「んっ、うぅぁ~」


 俺はいつの間にか眠ってしまっていたようだ。

 それにしてもこの枕は柔らかくて心地良いなぁ。

 ……んんん?


 この感触……まさか……。


「私の膝枕は眠りやすかった?」

「う、うわぁぁぁああああああああっ!」


 俺は勢いよく起き上がる。

 まさか気づかぬうちに琴音の膝枕で寝てしまっていたとは。


「そんなに驚かなくてもいいのに~」

「流石に妹に膝枕してもらう兄とか見てられないでしょ」

「そんなことないよー。いつでも私の膝枕を使ってくれていいんだよ」


 昨夜、俺は琴音に何があったのかを全て話した。

 きっと、一人で抱え込まずに済んだことによる安堵で気絶するように眠りについてしまったんだろうな。


「とりあえず、昨日は本当にありがとう」

「そんなの当たり前だよ。私たちは()()なんだから」


 今の俺にとっての家族は琴音だけだ。


「そうだな。そういえば、琴音は母さんの命令で俺を家から追い出すために毎日家に帰ってたんだろ?」

「うん、そうだよ」

「だったら、これからは帰る必要ないな」

「あ、そっか……。もう帰らなくていいんだ、あの家に。お母さんと離れてお兄ちゃんと一緒に暮らせるんだ」


 琴音も昨夜の俺のように泣いてしまいそうになっていた。

 俺は琴音を抱きしめた。昨夜、琴音が俺にしてくれたように。


「それじゃあ、もうみんなも起きてるだろうし、みんなのとこに行こうか」

「そうだね。じゃあ、ここからはエナとミデンだねっ」

「ああ、そうだな」


 俺たちは部屋を出て、リビングへと向かった。


 ♢


「「「ミ、ミミミミミ、ミデン様ぁぁああああああっっ!?!?!?」」」


 みんなの驚きの声が拠点中に響き渡った。

 そりゃそうだよな。みんなは俺がここに戻ってきている事なんて知らなかっただろうし。


「あれぇ、ミデン様いつこっちに戻ってきてたの~?」


 ペティが俺の左腕に抱きついて、そう聞いてきた。

 さすがギャルだ。距離感が近すぎる。

 距離感バグってるんじゃないのか、とは思いつつも嫌な気持ちにはならないから良し。むしろ最高です。


「昨晩、戻ってきたんだよ」

「でも、何かやることがあるって言ってなかった?」

「予想以上に早く用事が済んだんだ」

「そっかぁ。それなら良かった。じゃあ、これからは毎日ここにいる?」

「ああ、そのつもりだ」

「えへへ、やったぁ~」


 嬉しそうにペティが俺の肩にもたれ掛かってきた。

 金髪から花のような良い匂いがする。


 あぶないあぶない。

 変態だと思われてしまう。


「ミデン様、今、お時間よろしくて?」


 ディオンが紫髪の縦ロールをくるくるとさせながら、俺の前まで歩み寄ってくる。

 その際に、ペティを俺から引きはがしていた。ちょっと可哀想。


「ああ、問題ない」


 声を低くし、答えた。

 忘れてはいけない。今の俺は、三谷翔悟ではなく、ミデンなのだ。

 常にカッコよく振舞わなくては。


「本日、ダンジョン内にて、『魔女協会』という組織に所属する者たちが、暴れまわっているという情報を入手いたしました」

「魔女協会だと?」


 この流れは、どうやら時が来たようだ。

 組織の主としての初任務の予感!


 最初のお相手は魔女協会という組織らしい。

 いかにも悪の組織らしい名前だ。

 というか、そういえばこの組織の名前をまだ考えていなかったな。あとで考えておこう。


 今は、初任務に集中せねば。


「魔女協会のトップは、魔女の血を受け継いだ女だそうで、組織のメンバーは皆、その自称・魔女のことを崇拝し、彼女の命令であればどんな残虐非道な命令でも執行すると言われておりますわ」

「ほほう。そんな彼らが最近良くない動きをしているのだな?」

「ええ、そうですわ。高い魔力を有している人たちを襲っているのだとか」


 なるほどな。

 魔力量の多い者を次から次へと襲っているというわけか。

 日々、鍛錬している者なら対処が可能かもしれないが、ただ魔力量が多いだけであまり鍛錬をしてこなかったものは手も足も出せずにやられてしまっているだろう。


 そんな人たちを俺が助ける義務は無いが、俺たちの行動範囲の近くで勝手な真似をされても迷惑だ。


「その魔女協会は俺たちにとって邪魔な存在か?」

「ええ、もちろんですわ。いずれ私たちのことも攻撃対象にしてくることでしょう。私たちは魔力量が多いですから」

「となると、俺たちの取るべき行動は1つだな」

「つまり……」

「ああ、魔女協会を排除する」

「うふふ、ミデン様ならそう仰ると思っておりましたわ」


 ディオンは嬉しそうに不敵な笑みを浮かべた。

 彼女も魔女協会を排除すべきだと思っているのだろう。


 それでは、行くとするか。

 初陣だ。


「今こそ我らが力を魔女協会とやらに知らしめよう! 我らの縄張り近くで勝手な真似をしたことを後悔させてやろうではないか! 我らの闇に染まりし力を解き放つのだ!」

「「「はっ!」」」


 俺の号令と共にメンバー全員が一瞬漆黒の球体に覆われる。

 その球体が消え去ったとき、皆は漆黒のボディスーツとマントを纏っていた。もちろん俺もだ。


 こうして漆黒に満ちた俺たちは拠点を出て、魔女協会のやつらが暴れているという情報のあった階層まで突き進む。



【軽くキャラ紹介】

・ミデン(三谷翔悟):今作の主人公。組織の主。

・エナ(三谷琴音):主人公の義妹。

・ディオン:紫髪縦ロールのお嬢様。

・トリア:茶髪ツインテールの元気っ子。

・テセラ:黒髪ロングの少女。

・ペティ:金髪ポニーテールのギャル。

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