表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/28

10 光と闇

※こちらはルーカス寄りの三人称視点となっています。

ライラとジュリアン、そしてライリーが部屋を出た後、そこには異様な空気が漂っていた。


ルーカスは静かに視線を向ける。

ライラのベッドの上には、小さなドラゴンのような姿をした魔族が、腕を組んで座っていた。


「……ライラに何をした?」


問い詰めるルーカスに、魔族は肩をすくめ、鼻で笑う。


『何をって、何もしてないさ。ライラ様は生まれた時から膨大な闇の力を持っている。そんなこと、お前が一番よく知っているんじゃないのか? 境界の門番さんよ』

「……僕は確かにライラのことは語り尽くせないほど知っています。ですが、僕が見たライラは、闇の力など持っていなかった」


ライラがいた世界では、そもそも魔法という概念が存在しなかった。

当然、魔力を持つ者もいない。


それも、ライラを含めて。


神ですら恐れる闇の力。

それが世界を(おびや)かす元凶だとされてからというもの、自ら命を絶つ者もいれば、魔族と呼ばれ追われる者もいた。

闇の力を持つ者は、例外なく悲惨な末路をたどってきた。


もしライラにそんな力が備わっているのなら――

なおさら取り除かなければならない。


そんなルーカスの思考を見透かすように、魔族はくすくすと笑った。


『持っていなかった? 馬鹿なことを言うな。お前はそれを信じたくなかっただけだろ?』

「……」

『お前のせいで、ライラ様は命を落としかけたんだぞ?』

「勝手なことを言わないでください」


ルーカスの反論を、魔族は面白がるように聞き流す。


『ライラ様を子どもにしてまで傍に置くのが、お前のやり方なのか?』


その言葉に、ルーカスの瞳が鋭く光った。

手のひらに光の力を集め、それを鞭へと変える。


「……っ!」


鋭い一閃が魔族へと振り下ろされた。

しかし、魔族は口角を上げながら軽やかに飛び上がる。


『おいおい、無駄な戦闘はやめよう。ここはライラ様の部屋だぞ? お前が短気なのは分かるが、俺はまだお前を殺す気はない』

「……殺すのは僕の方ですが。とはいえ、ライラのためにも保留にしておきます」

『寛大なご対応、どうもありがとう』


この魔族をライラの傍に置くのは、あまりにも危険すぎる。

それは、ライラだけでなく、ジュリアンやライリーにとっても同じだ。


だが――


彼らはこの魔族を可愛がり、慕っている。

それを無理に引き離せば、ライラはきっと怒る。


それがライラにとって、どれほど嫌いであるかを知っているから。


ルーカスは眉間に皺を寄せた。


『というわけだから、そろそろライラ様たちを部屋に戻してくれ』

「……いいでしょう」

『よし』


満足げに頷くと、魔族は窓を開け、外へと飛び去っていった。

ルーカスも窓辺に歩み寄り、外を見下ろす。

木の下では、ライリーとジュリアンが何かをしている。

そして――


ライラは木にもたれかかり、静かに目を閉じていた。

短くてすみません。

次回は少しだけ長いかもです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ