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第五章 設定 + おまけ

第五章 設定 + おまけ





●キャラクター



『矢川京太』

LV:45 種族:人間・覚醒者


筋力:86 (成長性:A)

耐久:86 (成長性:A)

敏捷:89 (成長性:A)

魔力:89 (成長性:A)


スキル

『精霊眼』

『魔力変換・風』

『概念干渉』


固有スキル

『賢者の心核』


備考

 今作主人公。タイトル通りコミュ力が低いものの、今章では友人知人とばかり関わっていたのでその辺の描写が少なめ。ついでに校舎が壊れていたので高校生要素もすくなめ。タイトル詐欺になっていないか心配。

 本人に全く自覚はないが、有栖川教授による包囲網がもうすぐ完成する。画面外で最近両親から『有栖川さんの家に行くのなら、粗相のないようにね!』と再三注意を受ける様になった。

 とある事情で毎晩ゴミ箱の中身を錬金術で焼却している。

 理性の強度がオリハルコン。ヘタレ力とも言う。しかし、戦闘能力だけなら既に覚醒者ランキングで5位に入るかもしれない。



『林崎エリナ』

LV:38 種族:人間・覚醒者


筋力:62 (成長性:C)

耐久:62 (成長性:C)

敏捷:79 (成長性:A)

魔力:70 (成長性:B)


スキル

『透明化』

『五感強化』

『空間魔法』


備考

 今作のヒロインらしき存在。

 自称忍者の金髪ツインテ巨乳美少女。父エリックと母里奈の一人娘。自称忍者な事以外は文武両道にして容姿端麗、スタイル抜群かつ家柄も良しな完璧超人。

 生まれつき痛覚がなく、その為小さい頃はかなり危険な行動が多かった。

 それを危惧した父親が彼女に武道を習わせる様になり、子供の興味を惹くならと漫画やアニメを見せる様になったのが忍者を名乗り始めた原因である。

 覚醒する事で痛覚が正常に機能する様になった……が、どういうわけか『オンオフ』できてしまう。その為、一定以上の重傷を負った際彼女は痛覚を意識的に切って戦闘を続行する。

 どことは言わないが最近サイズが増した結果、『H』である。



有栖川アイラ

LV:20 種族:ハーフエルフ・覚醒者


筋力:33 (成長性:E)

耐久:30 (成長性:E)

敏捷:33 (成長性:E)

魔力:48 (成長性:B)


スキル

『念話』

『鑑定』


備考

 今作のヒロインらしき存在その2。

 銀髪巨乳エルフ耳美女。現在21歳の大学生。学校では祖母であり大学教授の有栖川エヴァの研究室に入り浸っている。

 普段の探索ではバックアップ役なのだが、ミノタウロスのダンジョンに巻き込まれ、更には精霊と融合して戦う事に。その結果、1回の戦闘で大きくレベルアップした。

 しかし、素の状態だと覚醒者としては戦闘に向いたタイプではなく、レベルのわりにステータスが低い。

 レベル上限も『35』なので、あるいは覚醒者の中で最初にレベルキャップにぶつかるかもしれない。

 日常的に自分自身を褒め称える言動をしている一方で、内心では己を『死んだ方が良いクズ』と認識している節がある。

 その原因は実の両親からの愛情を感じられずに育ったため。ただし、祖母を心配させまいとその事を滅多に表へ出す事はない。

 京太と話す事で、少しだけ改善したかもしれない。元々、『死にたくない理由』の積み重ねで自殺に至る可能性は低かったのもある。

 どこの大きさとは言わないが『F』。

 ドスケベコスプレパーティーの開催で京太からの信頼度が爆上がりした。



『三好ミーア』

LV:34 種族:エルフ・覚醒者


筋力:52 (成長性:D)

耐久:52 (成長性:D)

敏捷:70 (成長性:A)

魔力:73 (成長性:A)


スキル

『土木魔法』

『水氷魔法』

『魔力節制』


備考

 今作のヒロインらしき存在その3。

 金髪ボブカット爆乳エルフ耳美女。現在18歳の大学生。アイラとは種違いの姉妹関係にある。

 産みの母親は姉の方を愛していたと思っていたが、実際にはミーアの方こそ愛していた可能性が出てきた。真相は闇の中である。

 最近抑圧されてきた欲望が表に出始めたのか、従姉妹であるエリナ、種違いの姉であるアイラ。そして珍獣から気になる人にランクアップした京太にねっっ……っとりとした視線を向ける様になった。

 本人は否定しているが、かなりのムッツリスケベである。レズでもバイでもなく、ただ好きになった相手が特殊だっただけの性欲魔人。

 どことは言わないが『J』になったメートル級の持ち主。

 最近『複数の相手を好きになるのは不道徳』と悩んでいるのだが、実の祖母から悪魔の囁きを受けている。



『毒島愛花』

LV:18 種族:人間・覚醒者


筋力:34 (成長性:D)

耐久:33 (成長性:D)

敏捷:41 (成長性:B)

魔力:44 (成長性:B)


スキル

『呪毒魔法』


備考

 エリナの友人でありクラスメイト。ヒロインかは不明。

 黒髪ロングのスレンダー美少女。どことは言わないが『B』。

 父親は一代で会社をたてた成金。その為子供たちにはかなり教育熱心であり、『覚醒の日』以前より家庭内はギスギスしていた。

 そこに愛花が『呪毒魔法』を覚えた事で両親や兄妹が一方的に恐怖心を抱いている。彼女自身は家族に害意はない。

『魔装』が本職の踊り子さんから苦情が来そうなぐらい改造された、スケベ踊り子衣装。痴女にしか見えないので、普段の探索ではツナギ姿でいる。ただし、全力の魔法行使が必要な時は自動的に『魔装』を展開してしまう。



『大山雫』

LV:16 種族:ドワーフ・覚醒者


筋力:38 (成長性:B)

耐久:36 (成長性:B)

敏捷:33 (成長性:D)

魔力:37 (成長性:D)


スキル

『魔力付与・鉄』

『魔工術』


備考

 エリナの友人でありクラスメイトその2。ヒロインかは不明。

 赤毛をショートカットにした三白眼低身長巨乳。どことは言わないが『H』。

 覚醒者としての力で工場のたて直しを考えていたら、いつの間にか父親から実質的に工場を奪い取っていた。

 家庭内で少し気まずい空気が流れているものの、今の所親子仲は良好。

 レベルアップだけが覚醒者の成長ではなく、『スキルの習熟度も大事』と京太素材を狙っている。彼女曰く、彼という極上の鉱山で採れた素材を使った時こそスキルが最も磨かれる……らしい。

 真偽は不明ながら、実際彼女のスキル精度はかなり向上している。

 京太素材の槍を紛失した事は後悔しているし反省もしているが、本人から気にしていない旨を伝えられたので今日も元気に京太素材を確保しようと動いている。

 変質者と言われると真顔でへこむ。



『ウォーカーズ』 


備考

 山下博と愉快な仲間達が立ち上げた冒険者クラン。最初は格好良いからという理由で『ギルド』と名乗っていたのだが、最近は『クランより上としてのギルド』扱いを周囲から受けている。

 最大手の覚醒者団体。覚醒者以外の事務員も多数在籍しており、地域貢献にも積極的で『覚醒者と非覚醒者の懸け橋』とも言われている。

 同盟組織に『錬金同好会』があり、急速な勢力拡大の鍵は彼らからのゴーレムや装備の貸与。

 今章では『トゥロホース』事件で一触即発になりかけていた『覚醒者VS非覚醒者』の世論を、どうにか抑えてみせた。

 しかし火種は未だ燻っており、いつ爆発してもおかしくないので山下の心労は終わりそうにない。



『ダンジョン庁』


備考

 苦労人組織その2。最近の平均睡眠時間が1時間を切りそうでやばい職員が続出している為、強制的に休みを取る動きが出始めた。過労死した者が未だいないのは地味に奇跡。

 米国の元大使クリス・マッケンジーを秘密裏に保護したり、英国のMI6であるジャックとこっそり交渉したりと勤務外の仕事も増えた。

 また、赤坂部長は彼の娘とその友人達の『やんちゃ』についても気づいており、胃痛が大変な事になっている。魔法での治療が彼の胃壁には必要かもしれない。



『トゥロホース』


備考

 覚醒者至上主義団体。その資金源は傘下の冒険者クランからの上納金。実質監禁状態の非覚醒者達を使った特殊詐欺。そして英国からの投資である。

 しかし、今回蛮族4人組の襲撃を2回受けて壊滅した。多重に結界を重ねた城壁に、『異様に精度が高い概念干渉が付与された武器』がぶち当たったのが原因である。元々彼らが傘下のクランに盗ませた物なので、ある意味因果応報。

 傘下のクランや非覚醒者達を従わせていた手段は、『魔法の契約書』。もしも破れば呪詛が飛んで行く仕組みであり、非覚醒者や低レベルの覚醒者に防ぐ術はない。

 代表の矢車を始め、非常に強力な覚醒者達が揃っていた。その戦力は陸戦に限った場合現代兵器で武装した一個大隊に匹敵する。

 蛮族たちによってボコボコにされたあげく、トップの矢車が恐怖で精神破壊からの被害者女性達からの報復で社会的に大打撃を受けたため、組織として再起不能になった。


『謎の3人組改め4人組』


メンバー

・黒髪ロングをツーサイドアップにした低身長巨乳美少女。武器は大剣で、刃が左右に分かれて大砲になる。

・灰色の髪をポニテにしたスレンダー美少女。武器は大鎌で、自身の影から狼型の眷属を召喚し使役する。実は留年している。過去に陸自と模擬戦経験あり。

・金髪巨乳エルフ。おっとりした顔立ちの美人。ツーサイドアップとは幼馴染。神官みたいな格好をしているだけあって、回復やバフが使える。

・黒髪ロングで前髪パッツンな普乳美少女。赤坂部長の娘でファザコン。自分をストッパーだと思い込んでいる蛮族の1人。武器は弓矢。


備考

 元々の3人組は京太に匹敵する才能の持ち主たち。赤坂娘は彼女らほどの才能こそないが、蛮性は互角なので問題ない。蛮族は引かれ合う。

 基本的には善性をもった少女達で、道で老婆が重い荷物に苦しんでいれば手助けし、迷子を見つければ躊躇なく声をかけ交番まで届けるか一緒に保護者を探してくれる。

 心優しきゴリラ達。ただ常に思考の片隅で選択肢に『暴力』があるだけ。

 特別家庭環境が悲惨というわけではなく、天性の素質と氾濫への遭遇が彼女らをそうしてしまった……のかもしれない。単なるナチュラルボーン蛮族の可能性も捨てきれない。

 一応『自分の為に暴力を振るう』事は滅多になく、『理不尽に虐げられる他人を助ける為に戦う』事が多い。

 もしかしたら蛮族ではないのかもしれない。

 なお、活動が赤坂部長にバレたので全員お説教が確定した。根が善人なので正論でお説教されると反論できないのである。

 反省するが後悔はしないし、もうやらないとは言っていない。



●登場モンスター



※『Eランクモンスター』


『ジャイアントスパイダー』

 名前の通り巨大な蜘蛛。胴体だけで大型犬とほぼ同サイズ。

 牙に毒はなく、糸も1本しか出さない。巣をつくる事はなく、走ってダンジョン内を徘徊する。

 強さ自体はランク相応であり、癖のないモンスター。ただし見た目の問題で間引きにくる冒険者は少ない。


※『Cランクモンスター』


『ステュムパーリデス』

 見た目はトキに近いが、大きさは倍以上。王冠の様な冠羽を生やしている。

 嘴、爪、そして両翼の先端が魔力を帯びた青銅で出来ており、非常に硬い。切れ味も鋭く、1センチの鉄板すら容易く貫通する。

 飛行能力を持ち、羽を機関銃の様に飛ばす事が可能。また、羽には猛毒が塗られている。


『ケルピー』

 青い馬の姿をしたモンスター。一目で名馬とわかるほどに強靭な肉体を有する。

 魔法で生み出した水により攻撃力、防御力、機動性が強化されており、そのうえ水で作った槍を飛ばしてくる。

 水中を移動可能であり、むしろ水上や陸上を走る時よりも素早い。

 また、周囲の水から魔力を吸い取る能力をもち、燃費も悪くない。


※『Bランクモンスター』


『クリータン・ブル』

 海草を体毛の様に生やした、牛と人を混ぜた様な姿のモンスター。

 身長は2メートルほど。海草の下は木製の人形であり、その内側には何もない。人が入れるほどのスペースがある。

 スキルとして『水氷魔法』と『自己再生』を持っており、近距離から中距離まで戦闘が可能。

 また、魔法で水上歩行が出来る。海上だろうと歩いて移動可能。また、泳ぎが得意。


※『ボスモンスター』


『ミノタウロス』


筋力:80

耐久:70

敏捷:80

魔力:20


『怪力』

 その名の通り、瞬間的に膂力を引き上げるスキル。相応に体力を消耗するが、ミノタウロスの強靭な肉体からすれば常時発動しても大したデメリットはない。


『直線加速』

 こちらもその名の通り、直線に限り自身の速度を上げるスキル。両足に強い負担がかかるも、その分効果は非常に高い。


『迷宮の主』

 自身と霊的な繫がりを持つダンジョンの通路に対する支配権。内部にいるモンスターや、ダンジョンの開閉については管轄外。されど、呼び水としての魔力を注ぐだけで大規模な通路の入れ替えが可能。



備考

 今章のボス。『レイ・クエレブレ』と同格の『Bランクボスモンスター』。

 魔力が同ランクのモンスターと比べ低い代わりに、身体能力は上のランクにも通用する。

 白い体毛に覆われた、牛と人間を掛け合わせた様な姿。筋骨隆々であり、身長は3メートル以上と大きい。

 戦闘中披露される事はなかったが、泳ぎが得意。やろうと思えば100キロ近くを泳ぎで移動可能である。

 ミノタウロスのドロップ品は毛糸玉の様な模様が掘られた水晶の魔道具。霊的に繋がりを持つダンジョンに限り、『通路の選定権』を与える。

 ただし、ミノタウロス自身が使っていた頃より燃費は非常に悪い。



●Q&A



Q.どうしてエリックさんが襲われた時、ガスエアガン男は夏なのにカイロを使っていたの?夏だしガスが冷える事はなくない?もしかして魔法絡み?

A.いえ。単純に車内がクーラーで冷えていたからですね。全員目出し帽までつけた黒ずくめだったので、クーラーを強めに使っていました。


Q.どうして美女や美少女じゃなくオッサンを拐ったんだよ!?

A.

運転手

「だって妻の方は『Cランク冒険者』の娘と常に一緒だったし」

エアガン男

「娘が手練れとは聞いていたけど、セットで二車線道路ジャンプして車に追いついて来るガキもいたとかこの仕事酷くない?」


Q.あの誘拐犯4人組って元々チームだったの?

A.

ナイフ男

「いや。全員前日に会ったばかりだ。普段はソロで、偶に他の人間と組む事がある。あのメンツでは初めての仕事だったよ」

スタンガン男

「けーっひっひっひ!レロレロレロレロ」

ナイフ男

「おいおい、耳がいてぇな。だが、兄弟の言う通りだ。俺達だって覚醒者だったのに、相手の方が格上だったぜ」


Q.海上ダンジョンとか物流が死なない?

A.

日本政府

「とってもやばいよ。取りあえず暫くは報道機関にお願いして『トゥロホース』関連の報道で国民の目をそちらに向けて、対策練らないと国中がパニックで大変な事になる」


Q.テレビ報道でアナルって言うの?

A.最初は言っていましたが、後半では『矢車氏への暴行』など濁す言い方に変わりました。きっと作中のテレビ局に苦情が殺到したのですね……。


Q.あの……矢車を貫いた槍って……。

A.

大山さん

「……どうするよ」

京太

「見なかった事にしましょう。あそこまで破損していれば、材料も生産者もわからないでしょうし……」


Q.メガフロート、いっそ海底がかなり深い所に作っちゃえば?

A.海上に出来たダンジョンは、すなわち海を超えられる能力を持つモンスターの巣なので……ぶっちゃけ、日本近海ってだけで危険度が陸と大差ないですね。


Q.じゃあやっぱ物流やばいじゃん!?

A.

諸外国

「そうだよ。じゃけん日本を生贄に『人類の叡智』な爆弾で全部燃やそうぜ!」

日本

「待って???」

米国

「そうだよ。まだ早いよ」


Q.精霊との融合超つえええ!このままモンスター全部ぶっ殺そうぜ!

A.精霊融合のデメリットとか、その辺は6章の序盤に出るかも?運動音痴のアイラさんが高速戦闘について来られた理由も含めて。


Q.有栖川教授は誰を京太の嫁にするつもりなの?

A.

有栖川教授

「今はまだ、全てを語る時ではありません」


Q.京太電話してきた時、山下さんの心境は?

A.

山下さん

「アイエエエエ!?インビジブルニンジャーズ!?インビジブルニンジャーズなんで!?」

「……どうやら、『トゥロホース』は『インビジブルニンジャーズ』までも敵に回したらしい」

「え、これ下手すると国内で『インビジブルニンジャーズVSトゥロホース』?やばくない?」

「ど、どうにか『インビジブルニンジャーズ』が今回の件に介入しないと言質を得たぞ……!」


 冷や汗ダラダラで乗り切った山下さん。なお、この後『海上ダンジョンを攻略したのは有栖川教授一行』と同好会から聞かされる模様。


Q.海運に影響かなり出るだろうけど、エリックさん達大丈夫?

A.

エリックさん

「いや。別に日本だけを相手にしているわけじゃないし、取引先はたくさんあるから大丈夫だよ。……ライバル企業が1つ、ちょうど潰れたし」

里奈さん

「……いや、これむしろチャンスの可能性あるわね?」


Q.ミノタウロスのドロップ品ってどうなったの?

A.

赤坂部長

「交渉……できるのか……!?あの『教授』と……!」

有栖川教授

「持っていても良くて宝の持ち腐れ。下手をすると厄ネタですね。お金に変えられるのなら変えてしまいましょう。婿殿も頑張ってくれましたし、アイラも心無しかスッキリした顔をしています。これは、お祝いも兼ねて頑張って交渉しましょうか」フンスッ。


Q.赤坂部長、元外務省らしいけどやべぇ繋がり多くない?

A.外務省にも色々とある。 + あの人何気にかなり優秀な人なので。


Q.米国が最初にスイッチを押したって?

A.その辺りはおいおい……とだけ。




●おまけ『京太とエリナが同じ日に試験を受けなかったルート』




 やたら広いリビングで、これまた無駄に大きなソファーでテレビを眺める。


 そこには、『戦場』が映っていた。



『我ら『トゥロホース』は、無能な非覚醒者どもの圧政に断固反対する!我々こそが、真に人類を導く存在だ!』


『ご覧ください。こちら『トゥロホース』本部の姿を特殊なカメラで撮影したものなのですが、壊された城門に巨大な氷の塊が──』


『昨夜未明、3度目の戦闘が発生しました。これで警察側の死者は140人を超えたという情報も入っており、自衛隊の出動が』


『いやぁ、自衛隊は出せないでしょう。自衛隊が戦えるのは外国からの敵か、テロリストぐらいです。対モンスター戦に関してだって、かなり揉めたじゃないですか』


『自衛隊は『トゥロホース』相手に出動できませんよ。警察だけで対応するしかない』


『しかし、防衛出動ではなく治安出動でなら自衛隊も』


『既に内部にいた主要メンバーは転移で逃亡済みとの情報も入っていますが、その辺りは』


『たしかに見たんです!4人ぐらいの女の子が、凄い速さで『トゥロホース』の本部がある方から走って行くのを!なんか、全員凄い怪我をしていて』


『各地で『トゥロホース』の支部で激しい戦闘が起きており、それに便乗した犯罪が多発して』



「なんか、凄い事になってるなぁ……」


 世界は、というか日本は、もはや数年前の平和が信じられない有り様になっていた。


 相次ぐダンジョンの氾濫で大量の死者が出ており、この前だってクエレブレとかいうドラゴンが暴れたらしい。


 そのせいで隣町は壊滅的な被害を受けたとかで、学校の人達も大勢亡くなったとか。


 両親の知り合いも被害にあったとかで、葬式に行かない週の方が珍しい。


 自分も交友関係は狭いながら、葬儀に出る事が増えた。



 ……6月に出会った彼女らの葬式も、あったし……。



 林崎エリナさんと、その友人達。そして、彼女の従姉妹さん達。


 まともに会って喋った経験なんてない人達だけど、あの忍者を自称していた彼女は悪い人間ではないと思った。


 しかし、知らぬ所で、知らぬ間に、あっさりと死んでしまった。


 なんでも、海上にダンジョンが出来たらしい。そこに運悪く入ってしまったらしく、全員行方不明。


 日数的に死亡したと判断され、彼女のご両親が葬儀を執り行った。


 彼女の電話帳にあった者全員に声がかかったそうだけど、クラスメイト達は薄情な事に誰も出席しなかったらしい。


 あるいは、もう葬式へ行くのに疲れてしまったのか。


 本当に、沢山人が死んでいる。そういった社会に不安を抱く人が多いのか、犯罪も増えていた。特に、覚醒者の犯罪が。


『トゥロホース』に加わる覚醒者の若者も増えていると聞く。自分にも、何度か勧誘があった。全て断ったけど。


「『白蓮』……この国、どうなると思う?」


 隣に座っているゴーレムメイドに、そう問いかける。


 黒髪を長く伸ばした、美しい容姿。メイド服の下に豊満な胸を押し込んだ彼女が、淡々と返事をする。


「私にはわかりません。ですが、『屋敷』の防衛力を上げる必要があるかと」


「まあ、そうだよねー」


 そもそも、『ホムンクルスもどき』にそれほどの思考回路はない。こうして会話が成立しているのも、『心核』あっての事だ。


 現在、自分と白蓮達。そして両親は以前とはまったく違う家に住んでいる。


 かつて自分が借りていた家の周囲にあった空き地は、全て撤去されて何もない土地が広がっていた。


 冒険者としてかなり稼いでいたし、テレビを見ていてこの国マジでやばいなー、とも思っていた所である。


 かと言って海外に引っ越すのも恐い。というわけで、思い切ってここら一帯全部買い取ってしまった。


 雇った弁護士さんとも相談して、大きな屋敷と、敷地全てを囲う塀を設置。別館も作り、両親にはそこに住んでもらっている。


 というのも、かなり儲けた事で狙われやすくなったか。はたまた覚醒者としての自分が目当てか。2人の身も狙われ始めたのである。


 父さんには申し訳ないけど仕事を辞めてもらって、今は法律や会計を学んで自分のサポートをしてもらっている所だ。税金関連とか、僕にはサッパリだし。


 敷地全体を錬金術により結界を展開。内部には120体の戦闘用ゴーレム、200体の作業用ゴーレム、そしてメイドゴーレム50体がいる。


 魔力の供給は家にいる間は自分から遠隔で送られているが、それ以外にも『炉心』を制作済みだ。


 同好会が公表した『マギバッテリー』もある。アレほどの効率ではないが、炉心の出力なら自分が暫く離れていてもゴーレムや結界の運用に支障はない。


 これは過信かもしれないのだが、『トゥロホース』の本部に匹敵する防備だと思っている。


 内部では錬金術で改良した野菜やら家畜やらを育てているが、今の所は順調だ。法的にスキルで弄った食べ物を出すのは難しいから、出荷先がないのは問題だけど。


 半分道楽。もう半分は将来への保険。なんにせよ、日々の生活は充実している。


 ……いや。1つだけ心配事があった。


 レベルの事である。現在、自分は『LV:50』。一般の冒険者としては破格ながら、最近伸び悩んでいる気がする。


 上限に達したという感じはない。最近はデーモンのダンジョンに通っているのだが、どうにも経験値が少ない気がするのだ。


 これは、もっとレベル上げし易いダンジョンを探す必要があるかもしれない。


 ゴーレムだけでダンジョンに入るのは法的に不可能なので、自分も赴く必要がある。あまり遠出はしたくないなと、口を『へ』の字にした。


 そのまま、隣にいる白蓮の膝に寝転がる。


「考えるのが面倒くさい」


「お疲れ様です、マスター」


 自分で作っておいてなんだが、白蓮の太腿は柔らかい。スカート越しでも最高である。


 見上げればその爆乳で視界の半分が塞がれた絶景だ。ソファーの後ろに控えているゴーレムメイド達もいるし、まだ昼間だが楽しむとしよう。


 白蓮の胸を1揉みしてから立ち上がり、寝室に歩き出した。


「今日は久々のオフだし、リフレッシュしたい。白蓮とホワイト、あと3体ぐらいベッドに来て」


「承知しました」


 もう、人と関わりたくない。両親とゴーレム達さえいればいい。


 ただまあ……もしもまた近所で氾濫が起きたら、少しだけ救助に手を貸すのもやぶさかではないか。


 この前葬儀が行われた、あの自称忍者の顔を思い出す。


 あの人は、デーモンの氾濫の時わざわざ足手纏い達を連れて逃げていた。


 ……影響、されているのかもしれない。それが良い傾向か、悪い傾向かはわからないけど。


 取りあえず、今は淫蕩にふけるとしよう。


 面倒で、そして厳しい現実を忘れる為に。






読んでいただきありがとうございます。

感想、評価、ブックマーク。励みになっております。どうか今後ともよろしくお願いいたします。


IFルートのうち、『ゴーレムメイドハーレム』が女●転生風に言うと『カオス』。たぶん一番社会がやばい。山下さん達もエリナさん達も全員死んでいます。たぶん、『錬金同好会』も既に海外へ拠点を移していますね。

『TSした友人達とクランを立ち上げ』が『ロウ』です。表向き社会が一番安定していますし、京太もそれに強く貢献しています。ただし、力を持ちすぎた自衛隊や、それを自分の物と思い込んじゃった政治家が現れた場合は……。

そして、本編が『ニュートラル』ですね。ちょうど良い塩梅になるのか、それとも……。



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― 新着の感想 ―
外堀というか内堀も埋まってて、本丸しかない状態なきがする どすけべ一家から早く逃げなきゃ...
なんか漠然と京太めちゃくちゃ運悪いなって思ってたけどカオスルート合わせて考えると運悪いのエリナさんの方なのでは?
他の方への返信コメント見て蛮族ズと組むことになった京ちゃんくんのIFルートも見たくなってしまった...
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