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4−6 ゾンビマスターは領主を堕とす




「ひっ、ひぃぃっっ……」


 ゆっくりと僕が近づいていくと、彼女はお尻を床につけたまま、ずりっ、ずりっと後ろに下がっていく。


 そんな逃げられ方をしたら、まるで僕がホラー映画の悪役でもしているみたいじゃないか。


「……そんなに怖がらなくてもさ、別に無理矢理何かをするのが好きなわけじゃないから安心してよ。でも、けじめとしてね、君にはこの街の領主としての責任はとってもらわないといけないんだ……そうだね、例えばだけど、君には僕の指の紡ぎ出す耐え難い感覚に、耐え忍んでもらうことにしようじゃないか。そうしたら、少しは僕の気も晴れると思うんだけど……どうかな?」


 僕はワキワキと手のひらを動かしながら、領主ちゃんへの距離を詰めていく。


「な、なぁっ! そ、それはっ、結局のところ、無理やりの辱めをするということではっ……?」

「まあ、そうとも言うかもしれないけど、でも痛いのとかよりはいいでしょ?」


 流れ的にはこう無理やり押さえつけて……みたいな感じだったかもしれないけど、人族に恨みいっぱいって感じになっている今でも、そういうのはあんまり好きじゃ無いんだよね。


 とりあえずは、あのハイヒューマンエンシェントノーブルゾンビ・ルーナをも堕とした……例のくすぐり地獄を体験してもらうことにしようではないか。


「そ、それは、そうですがっ……じゃ、じゃないっ! この、武家の貴族の娘に生まれたものとしてっ、そんな辱めを受けるくらいならっ、この命自らっ……」

「あ、それはやめた方が良いよ。僕君のことゾンビにして生き返らせることできるしっ。僕のスキルがあればゾンビ相手でも、色々とやりようはあるからね……」

「なっ、なぁっ!? し、死しても、誇りが守られる、ことはないというのですかっ……」

「うん」


 ぶずぶずに腐れ落ちたゾンビに何かしようとは思わないけど、フレッシュゾンビってのはほとんど人間と見た目が一緒。

 そして、【腐界の王】の称号の影響なのか、僕は人族よりも腐族の方により好感を感じるようになってもいる。

 彼女が死んでしまったからといって、それで何かが変わるわけではないのだ。


「っていうわけで、こちらの悪徳領主の弱点……見させていただこうと思いますっ!」


 僕の芝居がかった言葉に、マリーがパチパチパチパチと拍手をしてくれる。


「わ、私は、悪徳領主なんかじゃないですっ!」

「そう……ま、でもそうであったとしてもさ、僕がやることには変わりはないんだけど……」

「きゃ、きゃぁぁっ」


 高そうな貴族服を横からびりっといく。


 その中から出てきたのは、光沢のあるワンピース型の肌着。


 最初はそんなワンピース型の肌着も破いてしまい、その下の脇腹を狙わせてもおらおうと思ったわけだけど……


「ん、……ってあれ? さっきの服より硬い、これ、魔法装備? ……肌着が?」

「くっ、肌着姿を見られたのは屈辱ですがっ、ふふっ、これは我が家に伝わる家宝の魔法肌着ですっ。防御力は抜群ですからっ! 私の肌を下郎に見せるわけがありませんよっ!」

「そ、そんなっ……って、ん? 魔法装備って言うけどさ、これ、こうしたら、どうなるの?」


 僕はワンピース型の下着をすっともちあげてみる。


「きゃぁぁぁぁっっっっ!!!」

「って簡単に持ち上がるのかよっ!!」


 感触的には今のステータスならこの魔法装備くらいなら力だけで破けそうな気もしたけれど、家宝とか言ってる肌着を壊してしまうのはなんとなく気が咎めたわけで……まあずらせるならずらせるで助かるわけだけど、全然肌を守れていない魔法肌着に、どこか釈然としない気持ちを覚えてしまう。


 そんな僕の気持ちとは関係なく、僕の狙うべき彼女の脇腹が視界の中に飛び込んでくる。


「ほう……これはこれは、また見事なっ……」


 武家の娘さんというだけあって、彼女の腹筋は硬くしまっている。


 バキバキに割れていてすごくかっこいい。そんなどんなパンチにでも耐えきってみせそうなすごい腹筋なわけだけど……ま、別に僕は打撃攻撃でそこを攻めようと思っているわけではないのでなんの問題もない。


「み、みるなぁっ!」


 顔を真っ赤にして美しい腹筋を隠す彼女だけど残念、僕は既にその美しい腹筋は脳内ギャラリーに保存している。


 そして……


「……そんな素晴らしいものを隠しちゃだめじゃないか……マリー」


 演技を続ける僕の前、やれやれとでも言わんばかりの無表情のマリーが領主ちゃんに近づいていき、その手のひらを掴んで身体の後ろ側で拘束する。


 つまりは、再び目の前に現れたナイス腹筋。そここそが僕が攻めるべき場所。


「くっ、くぅっ……」

「……さーって、この立派に締まったお腹。防御力の方は、どうなのかなー?」


 僕はワキワキと動かす手のひらを、彼女の脇腹へと当てる。


「んっ、んひひっ……ひひっ……ひっ、ひひっ、ひぃ…………ぁっ……なっ、く、くすぐったくなんて、ないんですからねぇっ!」


 指先で軽く脇腹を撫でただけで間抜けな笑い声を上げ始めた領主ちゃん。


 これは、間違いなく……脇腹が弱点の方の悪徳領主に違いない。


「んっ、ふっ、ふーっ、はっ……そ、そんなっ、腹の筋肉なんぞいじって、何が楽しいんでしょうかっ!」

「いやー、それがすっごく楽しいんだよね、女の子の鍛え上げた腹筋の硬さってさ、なんかとても癖になってしまうような素敵な感覚なのさ」

「……っっ……こ、このっ、へ、変態がぁっ! ぁっ、ぃひひっ、いひひひひひぃっ! ひーひひひひひひひぃっ! あひゃひゃひゃひゃひゃーっ! ……ひっ、ひー、ふーっ!」


 必死でくすぐったがっている姿をみせまいと我慢している彼女の様子もまたいじらしいもので、もっともっといじめてあげたくなってしまうもの。

 脇腹で動かす指の動きをより繊細に、より速めていくと、領主ちゃんの反応はより苛烈なものへと変わっていく。


「ひっ、ひひひひひぃっ、いひゃひゃひゃひゃぁぁっ!! あーはっはっはっはっはっはーっ!! …………ふっ、ふーっ、はっ…………あっ……な、なんともないと言ったはずですよっ! くすぐったいとなど感じてはいないし、たとえ、どれだけ触られようとも、私は負けを認めることなんてないんですからねえっ!」


 そんな感じで強気なままの領主ちゃん。


 我慢してる彼女を焦らして楽しむのもいいのだけど、僕にもあまり遊んでいる時間があるわけでもない。


 僕は本気で彼女を堕としにかかることに決める。


「──ひひひひひいっっ! いーっひっひっひっひっひぃっ! あひゃひゃひゃひゃひっ! ひーっ、ひひゃひゃ、も、もうむりぃっ! もうくすぐらないでぇっ! いーひひひひひひひひぃぃっ!!」


 本気のくすぐり攻めを放っていくと、流石に耐えきれないという様子で暴れ回り始める領主ちゃん。


 これはどう見たって脇腹が弱点系の悪徳領主に違いない。


「ふふふ、強情な悪徳領主が、このくらいのくすぐったさで心から負けを認めるわけはないよねー。このままどんどんくすぐっていっちゃうよっ!」

「そ、そんなぁ…………あっ、あっははははははははぁっ! うひひひひひひひっひぃっ! いひゃっ、おひょっ、いひひひひひひひぃっ! うひょひょひょひょひょぉっ!!」


 脇腹をくすぐられながら暴れ回り続ける領主ちゃん。


 そろそろ落ちる時は近そう……ってことで、僕は後ろから領主ちゃんを抑えているマリーの意見を求めてみることにする。


「そろそろ、堕ちそうかな。どう思う、マリー?」

「……ゔぁー」


 もう返答するのもめんどいって感じのマリーからの冷たい視線。


 マリーってばたまにこういう冷たいところがあるんだよね。いや、別にいいんだけどさ。


「だ、だからっ、私は、悪徳領主などではないとっ……このっ、コーネリア・ブルスト、このミーレルの街をしっかりと管理し、立て直すべく努力していくつもりだったのですっ!」


 ふーん、領主ちゃんはコーネリアちゃんっていうのか、なかなか良い名前じゃないか。


「そう……まあ、たとえそうだったとしてもさ、運がなかったんだよコーネリアちゃん。僕も割とそういうところあるんだけどさ、結局世の中ってのは運次第なところがあるんだよね……何を言ったとしても今の君にできるのは、僕に脇腹をくすぐられることだけなんだよ。残念だけど、君と僕はそういう巡り合わせだったのさ」

「そ、そんなぁ……あっ、あひゃひゃひゃひゃひゃぁっ! いひひひっ、うふふふふっ、おーほほほほほほほほぉっ! も、もう、もうっ、ほんとうに、むりぃっ! いーっ、ひっ、ひっ、ひっ、ひひひひひひひひぃっ!! も、もう、むりぃっ! くすぐったすぎて、あたまおがじぐなるぅぅっ!! あーはっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃぁぁっ!!!」


 僕のくずぐり攻めを受け続けたコーネリアちゃんは、やがてはオークに負けるくっころさんのように、くすぐったさのあまり失神気絶してしまったのだった。




 ♢   ♢   ♢




 くすぐり地獄に負け息を荒げていた領主ちゃんのあまりの色っぽさに我を失うことしばらく。


──コーネリア・ブルストへの【腐界の王】の第1級接触が確認されました

──コーネリア・ブルストと『腐界の絆』が結ばれました

──【腐界の王】のエネルギーでコーネリア・ブルストを腐族化することが可能です

──コーネリア・ブルストの基礎情報をチェック中です

──……

──……

──コーネリア・ブルストの特性から上位種族ヒューマンノーブルゾンビ、またはヒューマンデイムゾンビとしての腐族化が可能です


 当然、僕の脳内にはそんな機械音声が響くことになる。


「ふーん、ノーブルゾンビは貴族だからってことかな。デイム……はナイトの女の子版のことだったっけ? 戦闘技能があるから出てきた選択肢ってことかな。ノーブルゾンビはもうルーナがいるわけだし……それじゃヒューマンデイムゾンビで」


──ヒューマンデイムゾンビが選択されました。

──コーネリア・ブルストの腐族化を実行します

──アップグレードには24時間が必要です


 こうして、アリシュテルト神聖皇国第二の都市ミーレルの、領主コーネリアちゃんの腐族化が始まったのだった。





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