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3−11 ゾンビの溢れるララ村だけど





「おー、ここがララ村かー……って村って割には結構でかいんだな……」


 ロロ村はいかにもな『村』って感じのこぢんまりとして和やかな場所だったけど、ララ村は小さな町って言ってもいいくらいの発展具合に見える。


 建物も結構高い建物が建てられているし、密集して住宅が建てられている住宅街のような区画があるのも見て取ることができる。


 とはいえ、そんな村の中に人の気配はまったく感じられないし、廃墟って言葉が浮かんでしまうような様相を呈している。


 村近くの高い木の上に登って街の中を覗いてみると、それなりの数のゾンビが街を徘徊しているのが見える。


 街の中で普通に生活している人が残っている可能性はゼロと言ってもよさそう。


「マリー、村の中の様子を確認してきてもらえるかな? 特に頑丈そうな建物の中とかに人の生存者がいるかどうか……しっかりと確認してもらえると助かるよ」

「ゔぁー……」


 マリーは小さく声を上げると、村の中へと姿を消す。


 ゾンビの彼女がゾンビに襲われることはないのだろうけど、そうでなくても【シーフエキスパート】の職業を持つ彼女であれば潜入任務はお手のものだろう。


 心配することもないってことで、僕は僕でやれることをやっておくことにする。


 村の近くを歩き回ることしばらく、僕はしっかりと囲いのある厩舎を見つけだす。


 中に動物は残ってないようだったけれど、幸いにしてゾンビもいない。


 ここならば馬を放置しておいても大丈夫そうなので、僕は馬車から外した馬にその中に入ってもらい、その扉をしっかりと閉めておく。


 そんな作業を終えた後で村の入り口に戻ると、ちょうどマリーが戻ってきたところだった。


 彼女を労いながら、中の様子を聞いてみると……


「ゔぁー……」

「へえ……中はそこかしこがゾンビだらけねえ……」

 

 ララ村の中はやっぱりゾンビでいっぱいになってしまっている、ってことのようだった。


 その割に村の外の方にはそんなにゾンビがいなかったのは、ゾンビには元暮らしていた場所への帰巣本能でもあるってことなのだろうか?


「ゔぁー、ゔぁーゔぁー……」


 それから、特に診療所みたいなところにいっぱいのゾンビが集まっている……ってことは傷ついた人を運び込んで、そこからゾンビパンデミックが起こった。ってことなのかな?


 ゾンビって移動するタイプのやつもいるみたいだし、その場に留まってるタイプもいるみたいだし……そういうのって何で決まってるんだろね?


「ゔぁーゔぁー……ゔぁゔぁー……」

「あー、そんな大物もいるんだねー……」


 僕たちの一番の目的であった教会のあたりには、ワイバーンのゾンビがいたとのこと。


 ロロ村よりも発展しているように見えるララ村があっさり壊滅しちゃったのは、もしかしたらそいつが原因だったのかもしれない。


 ゾンビ化したワイバーンが村を襲い、怪我した住民を運び込んだ先でゾンビパンデミックが起こってしまって……なんて事態であれば、このララ村が耐えきれなかったというのは不思議な話ではない。


「ゔぁー……」

「うん。診療所の方は近づかなければゾンビに感知されない距離があるけど、ワイバーンは教会に行くなら避けられないってことね……それでその肝心の教会の中の方はどうだった?」

「ゔぁー、ゔぁー……」

「おおっ、まじかっ! 生存者がいるんだねっ!」

「ゔぁー……」


 こくりと頷いてくれるマリー。どうやらしっかりと生存者がいることを確認することができたようだ。


 正直ララ村がこんな状況だから、生存者がいる確率は低いかと思っていたんだけど……生き残っている人がいる以上は、せっかくだし助け出してあげたい。


 そのためにここまで来たわけだしね。


 ……そうなるとどう助けるのか……っていう戦略が重要になってくる。


 うーん……ワイバーンゾンビは……倒すしかないよなあ。


 避難者を連れた状態で空を飛べるワイバーンゾンビに襲われるなんてことになったら、さすがにちょっと守りきれる気はしない。


 自分で飛べるやつだから、川に流したゾンビのようにどこかにいってもらうってわけにもいかないし。


 元がワイバーンなんだからそこそこは強いんだろうけれど……普通に闘うのであれば、ゾンビである以上僕の前では無力なはず。倒すのに苦労することはないはずだ。


「それじゃ、とりあえずは教会の方に行ってそのワイバーンゾンビを倒す。それから、教会に避難している人たちをララ村から救助してロロ村に戻る、って方針でいこうか……」

「ゔぁー!」


 僕は同意してくれたマリーと共に村の門をくぐり、彼女の先導に従ってララ村へと足を踏み入れたのだった。




 



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