黒い封筒の中身
「…………」
「…………」
「…………」
僕も含めてだが沈黙した。
何でいきなり生徒会に入る話になってるの?
白澤妹、鳳城さんも無言だ。会長以外の男子生徒は困った顔してる。
「会長、言いにくいんですけど全員来てませんよ。後1人足りません」
「…………」
またもや沈黙、男子生徒の言葉に会長は笑顔のまま固まっていた。
白澤妹は顔を赤くしてる。恥ずかしいのだろう。
極度のあがり症というのは聞いていたが……
これはあがり症というより天然??
しばらく沈黙が続く………まぁ2〜3分くらいだと思うけど会長の顔がだんだん崩れてきて妹さんに泣きつくような視線を向けていた。
妹さんの方は、『私は知りません』という雰囲気を出している。
どうすんのこの空気…………
『コンコン、失礼します』
今度は男子学生が入ってきた。
ドアが開いた瞬間に入ってきた男子学生が固まる。雰囲気もそうだがやはり会長の格好が気になるのだろう、その場から動かない、
「どうぞ、お好きな席にどうぞ」
会長が笑顔で対応してる。表情変わるの早!
しかもさっきの空気が一瞬で霧散した。
僕もほっと一息、鳳城さんも同じだったらしく一息ついてる。
男子学生が席に着いて全員が揃ったらしい。
多分だけど先輩?が話を切り出した。
「全員揃いましたので、始めさせてもらいます。
ますば本人確認をしたいと思います。」
次々と名前を呼ばれていく
呼ばれた名前は、
白澤 ひかり
鳳城 冬美
星野 北斗
村沢 春樹
「今年の裏生徒会のメンバーですね。4人とは豊作ですね。」
もう1人の男子学生が答える。
何のことを言ってるのだろう?4人の顔を見ると全員が何のことやらと首を傾げたりしている。
よかった、わからないのは僕だけじゃなかったんだ。
村沢君が突然手を挙げて発言をする。
「あのぅ、叶夢のルールを説明するって聞いてたんですけど?、それと裏生徒会ってなんですか?」
当然の疑問である。僕も知りたい。すると、白澤妹………白澤ひかりさんが話し出す
「えっ? 私は話があるってお姉ちゃん……会長から言われてきたんですけど?」
ひかりさんは違う理由で呼び出されたらしい。
「今から一つずつ説明していきますね。まずは呼び出した理由の一つが、初めて叶夢で暮らす学生さん向けの説明です。鳳城さん 星野さん 村沢さんは初めて叶夢で暮らしますよねその説明です。ひかちゃんは説明の必要はないよね?」
ひかりさんは顔を赤くしながら、会長に向かって怒り出す。
「ひかちゃんって呼ばないでよ!、恥ずかしいでしょ!!」
「えー? でもひかちゃんはひかちゃんだし………」
姉妹喧嘩が始まってしまった。というより会長は何が悪かったのか分かってないし、ひかりさんはそんな会長を見てさらにヒートアップ、悪循環である。
話が進まない、どうすんのこれ?先輩が困った顔してる。すると鳳城さんが、
「白澤、うるさい!、話が進まない!」
ビクッ!!
2人とも喧嘩を辞め黙る、なんか急に寒くなったような気がする。こんなに寒かったけ?、村沢君を見ると彼も寒そうにしてた。
でも先輩方は………
「へぇー これは中々」
「中々強力ですね。」
などと話してる。
確かに強力だね、姉妹喧嘩を一言で黙らすんだし、でも違う意味な気がするのは気のせい?
あっ
少しずつ暖かくなってきた気がする。
「話を進めますね。」
進みすらしてなかったけどね。
会長は何事もなかったように話を進め出した。ひかりさんの方は俯いて赤くなってる。
そりゃ恥ずかしいよね。
――――――――――――――
「というわけで叶夢では専用のデバイスを学校から貸し出してます。今から専用デバイスをお渡ししますね。」
会長からの説明を受けた。
叶夢では最新設備が整っているため、自分たちが今まで使用してたデバイスだと使えないことはないが、性能に差がでて日常生活に支障が出てくるらしい、そのため叶夢専用のデバイス通称Dream deviceが配布されるらしい。
僕も叶夢にきて自分のデバイスを使って地図やらネットを使用してたが、読み込み時間が長すぎて少し不便さをさ感じていたのでこれは助かる。
「ひかちゃんは持ってるから必要ないよね?」
「そう呼ばないでよ!お姉ちゃ!!」
鳳城さんがひかりさんを睨みつけてた。
怖! なんかここだけで上下関係が出来上がってるんだけど、
ひかりさんはまた俯いてしまった。
「鳳城さんって、綺麗だけど怖いな」
村沢君がつぶやく、
確かに僕も同じ感想です。先輩方も苦笑いしながら状況を見てるし、
「さて、ここからが本題です。
改めまして、皆さんようこそ裏生徒会へ!!」
さっきも同じこと言ってたけど、裏生徒会って何?生徒会じゃなくて裏がついてるし、少し考えていると、
また映像が見えた 今度は1つだけだったが
内容は黒い封筒からカードが出てきて教室の隅にある機械にかざすと入り口が出てきた映像である。
僕はつい呟いてしまった。
「カードキー?」
二つの反応があった
一年組(僕達のこと)は
『??』
先輩組は、
「えっ?」
「なんで?」
驚きの声が上がってきていた。僕は映像を見て答えただけなのだが………
「あらら、もう封筒の中身を確認したのですか? せっかちですね。」
会長から言われた、少し笑われてる。そういうわけじゃないのですが………まだ開けてすらないし。本当にカードキーが入ってるの?この封筒?
「では今から場所を移動しますね。皆さん先生からもらった封筒を開けてください」
ビリビリ!!
僕達全員が封筒を開ける
「あれ?星野君は封筒を開けてたんじゃないんですか?」
会長から質問される。
「いえ、開けてないですよ。何となくですが入ってるのがカードキーのような気がしただけです。」
全員が驚いてた、
「もしかして星野君はカードの使い方がわかったりしますか?」
また会長からだ、
「えっ、多分ですけどそこの機械にかざすのかなぁーと思うのですが………」
先輩たちから
『お〜お』
と歓喜の声が
「ふむ、本当に豊作ですね今年は、説明も無しに2人も覚醒してるんですから」
何のことだろう?
覚醒? 訳がわからないでも今回は頭が痛くならなかったなぁ。教室の時は、軽い頭痛がしたのに、
「では教室を移動しますね、星野君、カードキーを使って下さい」
僕は会長に言われたので隅にある機械にカードをかざした。すると
カチャリ!
近くにある棚から音がした
「??」
「皆さんこちらでーす。」
会長が案内をしてくれる。棚を横にスライドさせ地下へ階段が出てきた。
僕らはどこに連れて行かれるのだろう?不安になってきた。
移動中に村沢君が話しかけてきた。
「星野君だっけ? さっきのどういうこと、なんか知ってんの?」
鳳城さんとひかりさんも聞き耳を立ててる。
そう思うのも無理はないよね。とりあえず話してみるか。
「うーんと、そういう映像が見えたとしか言えないんだよね、教室でも同じことあったし」
「じゃあさ、この先何があるとか分からないの?」
ひかりさんだ。
「うん、知らない見えたのがカードキーの使い方だけだったから、階段があるのも分からなかったし。」
そんな話をしてると後ろから先輩が小声で、
「進めばわかることだし、そのこともちゃんと説明するよ。もう少し我慢してね。油断すると階段で足滑らせて会長みたいになったちゃうよ。」
会長には聞こえてないみたいだった。ひかりさんは納得していた
「お尻を打ったって言ってたけどここが現場だったとは……」
なんか呆れてる
会長さんは天然+ドジっ子というイメージがついてしまった。
しばらく進むと場所が開け学校には似つかわしくない豪華な部屋に通された。
少し大きめの机に誰か座ってる。
あの人は………