表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

⭕ トイレで、かくれんぼ 2


「 ………………だ…誰…なの?

  花子さん…?? 」

「 花子さんじゃないよ。

  2年3組、出席番号19番、トヨガ アリコ。

  同級生でクラスメイトですけど〜〜。

  ツユキ ミサヨさん 」

「 トヨガさん……?

  ほんとうに?? 」

「 そうだよ。

  明日あしたの朝まで1人で個室にるつもりなら、アタシは1人で帰るけど? 」

「 ──待って!

  いか…行かないで!!

  いまぐ出るから! 」






 個室の鍵を外した私は個室のドアを開けた。

 怖いけど声のぬしを信じて個室から出ると、確かにクラスメイトのトヨガ アリコさんがた。


「 …………ほんにトヨガさんだった……。

  かったぁ〜〜〜。

  ドアがノックされたから花子さんに見付かったのかと思っちゃった…… 」

「 この旧校舎に花子さんなんてないから 」

「 えっ……そうなの? 」

「 日本中にれだけ旧校舎が現存してると思ってるの?

  旧校舎の女子トイレに花子さんがたら、日本中が花子さんだらけになっちゃうじゃない 」

「 あ……そう言われてみれば……。

  でも、トイレで繋がってる──って言われない? 」

「 ツユキさん…、それ本気で思ってる?

  旧校舎のトイレは全部ボットンベンだよ。

  繋がってるわけないじゃない。

  ちゃんと現実を見ようよ 」

「 そ……そうなんだ… 」

「 早く出よ。

  長いあいだ使われてなくても臭いし 」

「 そ……そうだよね…。

  トヨガさん…てくれてがとう…。

  …………アライさん達は帰っちゃったのね…… 」

「 7人が笑いながら楽しそうに旧校舎から出てくのが見えたから、もしかしたら──って思ってね 」

「 そうなんだ…。

  私…騙されちゃったのかな… 」

「 かもね。

  明日あしたから夏休みだってのに、最後の最後にいやがらせされるなんて、気に入られてるよね 」

「 アライさん達に気に入られても嬉しくないんだけど… 」

「 確かにね。

  でも、心配しなくていいんじゃないかな。

  2学期に会えるか分からないし 」

「 どういう事? 」

「 旧校舎って空気がよどんでるか怪奇が起き易い場所なのね。

  女子トイレには花子さんはないけど、別の怪奇がるの。

  アライさん達は自分達で作った『 花子さんと “ かくれんぼ ” 』に対して自分達からルールを破った。

  だから、ルールを破ったアライさん達は怪奇に憑かれてる状態なの 」

「 怪奇に憑かれてる?? 」

「 そう。

  だから、2学期にアライさん達からなにかされるかも──って不安がる必要はないよ 」

「 トヨガさんはなんでそんな事…… 」

「 アタシの親戚にオカルトライターがてね、受け売り 」

「 オカルトライター?? 」

「 うん。

  UAウーって名前のオカルト雑誌に記事を掲載してるの 」

「 へ…へぇ…… 」

「 マイナーなオカルト雑誌だからね。

  あんまり知られていないの 」











「 トヨガさんは夏休みはどうするの? 」

「 心霊スポット巡りかな 」

「 心霊スポット巡り?? 」

「 うん。

  雑誌に【 心霊スポット検証 】っていうコーナーがあるんだけど、夏休み中はオカルトライターに協力する事になってるの 」

「 そ…そうなんだ…。

  怖くないの… 」

「 怖くない……わけないよ。

  でもね、アタシは見えないし、感じないから、平気かな?

  鈍い人って怪奇にも鈍感だから 」

「 そう……なんだ… 」

「 宿題が少ない高校でかったよ。

  バイト代を稼げるんだからね 」

「 そうなんだ… 」

「 ツユキさんは夏休みは予定あるの? 」

「 うん。

  7月中に宿題を終わらせて、8月は遊び倒そうと思ってるの 」

「 へぇ、いいんじゃない。

  楽しい夏休みを過ごしてね 」

がとう、トヨガさん。

  トヨガさんも充実した夏休みを過ごしてね? 」

「 うん。

  がとう、ツユキさん。

  もう誘われても旧校舎に入らない方がいよ。

  大分、老朽化が進んでるし、崩れたのに巻き込まれても助けてもらえないんだから 」

「 そうだよね…。

  もう、旧校舎には近付かないようにする! 」

「 その方が賢明だよ 」

「 じゃあね、ツユキさん。

  アタシは此方こっちだから 」

「 うん。

  トヨガさん、ほんがとう。

  バイバイ!

  2学期に会おうね 」

「 うん、2学期ね 」


 私はトヨガさんと校門で別れて最寄り駅のほそ駅へ向かって歩いた。

 ほそ駅へは徒歩で10分ぐらいの距離にある。

 帰りに手前の駅に降りてア◯メ◯トに寄ろうかな〜〜。






 ツユキさんと校門で別れたアタシは自宅に向かって歩く。

 アタシの自宅は高校から徒歩20分程先にある高級住宅街の中にある。

 防犯設備が整っている門をとおって高級住宅街へ入る。

 10分ぐらい歩くとアタシの自宅が見えてた。

 頑丈な門を開けて敷地内に入ると、庭の手入れをしている義兄にぃさんが「 オカエリナサイ 」と声を掛けてくれるから、アタシは笑顔で「 ただいま 」って返事をする。

 義兄にぃさんは日本人と外国人のハーフで庭師をしている。

 庭師の師匠は現役バリバリの祖父で兄弟子は叔父さん。

 アタシの父親は庭師じゃなくて陰陽師。

 母親はふつ

 2人の実姉もふつで、2人る実兄の長男は1級建築士でバリバリ稼いでいて、もう1人の次男は陰陽師。

 アタシも卒業後は『 ふつか 』なんて言われてるけど、ふつになるつもりなんてさら(さら)ないから、卒業後は実家を出るつもりでる。

 取り敢えず、親戚のオカルトライターの手伝いでもしようと思ってる。

 見えるアタシには持っていなバイトなのよね。

 正規で雇ってもらえたらがたいんだけどね。

 玄関から家に入るとアタシは2階にある自分の部屋へ向かった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ