*プロローグ*
*プロローグ*
春になると桜並木がきれいで、お花見の名所になる川沿いーーさくら川のある、さくらの町。
そんな素敵な町で、僕は大学四年間、かけがえのない青春を過ごした。
高校生の時、たまたま友だちに誘われたオープンキャンパスで、自分が大切にしているものを全力で表現する先輩たちに惹かれ、入学した。
そして四年間。多様な分野に興味を持ち、自分とは違う考え方を持った友人たちに出会い、繋がり続けてきたからこそ、今進むべき道の上にいるし、居場所を選んだことにも繋がる。今の自分を作り出したーー僕の世界の一部だと思っている。
あの町で明るさや優しさ、時には厳しさを感じ、今の僕が成長できたのも、あの町のおかげ。
そう思った僕は、町を離れた今なお、感謝しかしていない。
何か恩返しがしたい。
昔みたいに皆集まって、皆で何かを成し遂げたい。
これから社会に出てくる後輩たちに、僕らができることもしてあげたい。
未来を明るく、優しいものであふれさせたい。
そう思った僕は、あるプロジェクトを企画した。
『さくらプロジェクト』
この企画で、町にありがとうを伝えたい。
そして、これからの僕らの後輩たちに将来役に立つ勇気と、明るい未来を築きあげられるきっかけを作ってあげたい。
何年かかるか想像もつかないけど、支えてくれる友人たちと、協力しながら、計画を実行させる。
それが、あの町にできる恩返しだと、僕は考えた。