VS巨大鯉01
「ぎょぉぉぉぉぉぉぉ………。」
湖からでてきた鯉は空中を浮遊しつつ俺を睨み付けている。様子見ならけっこう。取り敢えず雷ドーン!!
額から出た雷は一直線に鯉に向かっていき
カキンッ!
硬い壁にぶつかったような音を出し弾かれた。……雷が弾かれた!?まじかよ!?
「ぎょぉぉぉぉぉぉぉ!!」
鯉が鳴いたら湖から拳大の水が多く浮き始め、まるで弾丸のような形を形成しつつその矛先を向けてきた。……こっちに…?ま、まずい!?
「ぎょぉぉぉぉぉぉぉォォォォン!!」
俺が避けようと走り出したらさっきまでいた場所に水の弾丸が着弾した。あ、危なかった…。俺は着弾した場所を見て絶句した。
さっきまで普通に草や土があった場所は月のクレーターを小さくしたような状態になっていた。な、なんじゃこりゃ!?もし当たっていたら体が木っ端微塵になっているんじゃないか!?
「ぎょぉぉぉぉぉぉぉン!!」
鯉はさらにさっきの水の弾丸をこちらに発射してきた。
ぬおおおおおおおおおおおおおおお!!死んでたまるかああああああ!!俺は全力のロケットスタートで森の方に逃げる。森なら木々が邪魔になり、俺に着弾する可能性を少しでも少なくするためだ。
水の弾丸は俺の予想通りに木々に着弾して俺の近くに着弾してこなかった。あ、危なかった。あの量の弾丸を避けることはできなねぇぞ…!それにさっきの弾丸に当たった木々はへし折れているってことは水の弾丸を誤射させるのも回数制限があるってことか。
「ぎょぉぉぉぉぉぉぉ」
鯉は幾何学模様の魔方陣を口の近くに生み出した。遠くてよく分からないが大きさは5メートル位か。あれはなんだ?一体なんなんだ?
「ぎょぉぉぉぉぉぉぉ!!」
鯉が避けて叫んだと思ったら直径10メートル位の水のブレスがこっちに飛んできた。まっずっ!?取り敢えず走れ走れ走れ走れ走れ走れ走れ走れ走れ走れ走れ走れ!くっそっ!避けきれない!でも、諦めてたまるかああああああ!走れ走れ走れ走れ走れ走れ!雷のように、光のように速く走れえええええええええ!
雷は何処までも真っ直ぐに、愚直に、進み続ける。そして俺は雷の精霊。雷そのものになってやる!
次の瞬間、俺の体に雷が纏わり、とてつもない速度で加速した。そうだ。俺の体は俺の願いに全力で答えてくれるんだ!
ドォォォォォォォォォォン!!
俺が走り抜けた瞬間、凄まじい衝撃とともに水のブレスが地面に着弾した。あ、危なかった。取り敢えずこの加速は「雷鳥」とでも名付けておこう。
そして使ってみてわかった。あのでか鯉を倒す方法を本能が、頭脳が、肉体が、まるで繋がらなかった歯車と歯車が噛み合うように理解した。
さあ、捕食される時間はもう終わりだ。反撃といこうか!