VS群狼02
俺はあの時二つ失敗した。
一つ目は逃げることに専念し過ぎていたこと。
二つ目は……残りの狼の数を見誤っていたことだ。
つまり、俺は…………
「「「「「ウォォォォォォォォン」」」」
絶賛、あの狼の群れに追いかけられている。ということだ。俺は確かにあの狼たちから逃げていた。なのになんで数がさっきの数十倍になっているんだ!?
「ウォォォォン!」
俺の近くに追いついてきた狼が尻の部分に噛みついてきた。ぐあっ!?くそ、離しやがれ…!尻の部分をふり、噛みついてきた狼を木に叩きつける。
「キャイン!?」
狼は、そのまま口から血を流し絶命した。一体一体の能力はそこまで高くないけど数が多すぎる!
「「「「グルルルルルルル!」」」」
狼たちはまっていましたとばかりに俺の周りをかこむ。こいつら、仲間が死んだのにそれすら利用するのかよ!?いや、勝つためなら手段を選ばないだけか…!
「「「「グオオン!!」」」」
そのまま、周りを囲んだ狼たちは俺に飛びかかってきた。ははっ……。異世界に来て一日も経っていないのに死ぬのか、俺。
…………
…………………
………………………うん?
あれ?なんで俺はまだ立っているんだ?てか、狼たちの動きがすごく遅いな。これなら避けれるか……?いや、体が動かない。どのみち死ぬってことか。
『ユニコーンは精霊である。』
こ、この声は……アロン!?おい、これはどうゆうことだ!?説明しろ!
『精霊は大気中の魔力から生みだされる神に近い存在。いや、ただの現象か。』
無視かよ!?
『故に完全に等しい存在でもあるか。』
これは…まさか、俺が寝ていた時の記憶か…?
『君たちは死んだ。ほんの些細な偶然と不幸によって。』
え…?俺、死んだのか……?いや、それならこの世界にいることの辻褄があう……。
『ほとんどの者たちは人間に転生した。そして、小さなプレゼントとして才能の覚醒と異能をあたえた。』
はあ!?つまり、人間に転生した奴らは異能を使えるのかよ!?なんかずるい!
『だけど人間よりも魔物に近い魂の者もいた。』
そ、そんな奴もいたのか。てか、魔物ってなんだ?
『君もその一人だ。』
ははっ……。まじかよ……。
『魂は体に大きく影響する。その魂を魂のない精霊に加えたらどうなるのだろうか。』
しるかよ。
『精霊は一人一人、自然を操る力をもっている。君の場合は…………、か。かなり強い力だな。いや、強すぎる。彼を守るためにはどうしたらよいだろうか。』
は、はあ!?なんかその力の内容のところだけ聞こえなかったんだが!?
『よし、封印しよう。これならこの力のことは隠すことができる。』
ふ、封印って……。そんなに強いのか?
『解放の条件は『魔物に殺されかけ、絶対絶命の状態になったとき。』にしとこう。これでよし。では、良い人生を。』
良い人生を、じゃない!もう絶対絶命なんだが!?てかこれ、ただの走馬灯じゃないか!?
でも、今の状況はもう死ぬ寸前だし、当然か。あ、もうすぐ狼の犬歯が俺の肌にあたるな。
あーあ。もう、俺は死ぬのか。短い人生だったな。
けど、まだ生きたかったな。
そう思った瞬間、俺は青い光に包みここまれた。
な、なんだ!?これはなんなんだ!?
青い光はすぐに収まり、目に見えたのは
さっきまでいた狼が嘘のように消えていた森だった。
……………………え?