表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/76

第5話 魔物と初遭遇なのよー



ドドドドドー、とやってくる真っ白な物体。額にはユニコーンのような白く長い角が生えている。5人までの距離は100メートル程までに迫って来ている。


「ちちちち、ちょっとっちょっとー!バババドっ、何とかしてよー!」


「侍は無益な殺生はせんがぜよ」


目を細めてニヒルに答えるバド。


「はーっ?何言ってるの?あんた侍なんかじゃないじゃん?ってか何で異世界の妖精なのに侍なんて言葉知ってんのよー!」


「武士に二言はないがぜよ」


なんかその言葉の使い方、間違ってるような気がするんだけど、武士だからむやみに秘密を話さないって事かな?なんて冷静に考えて、、、って考えてる暇わないんだよー(涙)


「た、た、た、た、盾だよ盾、たて?たて!たて。み、み、み、ミカっ盾。盾で防ぐのよー」


「えっ?あっ、あー。そだねそだねー。盾盾盾」


って背中におぶさってる盾を「うんしょ、うんしょ」ってまごつきながら取り出し、「ドーン」ど土煙を撒き散らすかのようにウサギが来る方向に盾を突き刺した。その後ろに5人みんなが隠れようとしたその時に【ドカーン!!】と白い塊が突っ込んできた。


ピューーーーーン・・・・・・


盾もろとも10メートル程5人みんながふき飛んだ。


ドッスーン。ガランガラン、、、


「「「「「いったーい!」」」」」


盾でガードしたはずなのにモノともしない?たかだかウサギの体当たりに?なんて思うなかれ。大きさが猪程もある大ウサギだ。今も尚、右の前足で「ガシュー、ガシュー」と地面を掻いている。ウサギってそんな事するっけ?なんか獰猛じゃね?ウサギって草食うよね?草食だよね?やつはなんか【俺、肉超好きっすよ!】みたいな肉食獣のようだよ?ほら、お目目も真っ赤で危険な生き物みたい。って、ウサギのお目目は赤かったっけ?

なんてくだらない事考えてる暇なんてないっ!


「防御が出来ないんなら攻撃だよっ!ミヅキっ。剣、剣。剣でバッサリやっちゃってぇ!」


「そ、そ、そ、そやなー。この剣で、、、って剣抜けへん!!」


左手で鞘を持ち、右手で剣の柄を持ち引っ張りだしてみたが、剣の長さが長すぎて右手を目一杯広げてみても剣が抜けないでいる。


「何やってんのよ、この脳筋娘っ!鞘を腰から外して鞘を捨てたらいいのよ。は、は、早く早くっまた来るよ、来るよーっ!」


他の4人はそろそろと美月から距離をとり、後ろへ、後ろへと泳ぎ腰で逃げだそうとする。


「ははっ、そっ、そっか。そやな。このっ鞘を外して、ポイって、、、はっ、抜けたで」


何とか鞘から剣を抜いて上段に剣を構える。

【上段に構える】ったって?そんなカッコいいもんじゃない。剣道の経験すらない単なるJKだ。構える姿はまさに【スイカ割り】のそれだ。


「おっりゃーっ!」


振り下ろした大剣をウサギは素早くかわす。惜しい。相手もなかなかやるじゃない。


「もっと脇を絞ってコンパクトにっ!」


「そーだーっ!ボールを良く見て~!」


って、どこの監督かっ。高校野球なのかっ?

4人はワーワー言いながらも徐々に後ろへと。じわじわ後退する。つまり【生け贄】を1人に絞ったわけだ。なんとか安全圏内に逃れ、さぁ!ここからアルプススタンドの可愛いチアガ顔負けで黄色い声援を送ってやろうか。等と考えてるその時、横にいたピンクのおチビが【ばびゅーーーーん】と飛んでいった。ウゲっ(焦)もう一匹のウサちゃん。いえ、おウサ様がいらっしゃいましたのね?どうやらこのおウサ様に美魅は突き飛ばされたらしい。


【揉み手・中腰・作り笑顔】世を上手く渡っていける黄金の法則!処世術は完璧である。


「いやぁー、おウサ様!!素晴らしいボディーアタックですわ~っ」


などとおべんちゃらを並べつつ、ソロ~リとそろ~りと後退りする。隙をみて一目散に駆け出す二人とタイミングを逸し取り残されるポッチャリ。


「ギャー!お、置いてかないでよー」

と駆け出そうとするが、足がもつれてその場に倒れこむ。


「すまんミカ!骨は拾ってあげるから~」


と言いながらの全力疾走。やれやれ、危なかったぜっ。等と思っていたらあの【ど腐れあほウサギ】はこちらに向かって走ってくるでわないかっ!


「うわーっ、ミュウ、ミュウこっちに走ってきたよー」


もう既に足はアニメのような高速回転で稼働している。これ以上は速く走れない。ヤバい追い付かれるんじゃないか?


「魔法!魔法よミサト。魔法で攻撃よーっ」


「そ、そっか。私達って魔術師だもんね。よし、魔法でぱぱーっとやっちゃうよー」


魔法で!っても、どやって使えるのかわからないんだけど、、、


と走りながら考えてみるんだけど、どうしたらいい?

(とりま、子供の頃にミヅキと一緒にやったロールプレイングゲームのあの魔法を試してみるか?)


と、ズバーーーーーっ!!と立ち止まり・・・


「いっくよーっ!!【ミラっ!】」


と右手を前にかざして唱えてみる。


「シーーーーン・・・」


「・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・・・?」


「・・・・・・・・・!」


顔面蒼白再び。


「何~!魔法出ないじゃない!?これじゃないのか??んじゃ~【ゲラっ!】、【パキっ!】って、、、」


ドカーン!!


「出ないじゃないのよーーーーっ」


【ピューーーーーン】


【ど腐れあほ大ウサギ】の体当たりで吹っ飛ばされながら叫ぶ。あー、哀れだ。


【ドッスーーーーン】と地面に打ち付けられ、少ない脳ミソをクルクル動かす。


(こっちのシリーズじゃなくFFの方だったか?いやそんなんじゃないような気もする。じゃあ何か?【キュアミサト!】とか言って変身してグーパンチでガチンコバトルするとか?いやいや、それだったら魔法の意味ねぇーよな。変身?あれか?【てくまくまやこん】とかっていう古いアニメでやってた変身をするのか?で、ワンパンで悪い奴をぶっ倒すヒーローに変身する?)


「よ、よーーーっし【てくまくまやこん、てくまくまやこん】ワンパンで悪い奴をぶっ倒す、ハゲた正義の・・・」



ドカーン!!



「やっぱハゲんのわヤだよーーーーっ!」



【ばびゅーーーーん】×2回目


ハゲるのを気にしているが、パンツ丸出しで空をくるくる飛ばされているのは気にならないのだろうか?あー、哀れだ×2。


【ドスーーーーン】と地面に叩きつけられる。突撃の際、長い角が太ももにかすり、結構な量の血が出ている。


「くっ、、、やっぱ【魔法学校に通う映画】の方だったか・・・」


「それも違うと思うわよ・・・」


冷静に突っ込んでくる美優。出血してる私を見ても冷静なのね(冷汗。)


これはマジヤバいんじゃないか・・・

なんとかしなきゃ。なんとかしなきゃ。って考えれば考える程焦りがつのる。


(あーっ、どうしよう・・・)


って思った瞬間、巨大(敵わない相手ほど大きく見える。)【ど腐れあほウサギ】が突っ込んできた。


(もうダメだ。ごめんなさい。お母さん)


と、普段いっぱい親不孝をした自分を反省、悔い改めたように目をぎゅーっと瞑り両手で頭を抱えこんだ。


【スサーッ、バシューッ】


という音が聞こえ、恐る恐る目をそーっと開いてみると、あの忌々しい【ど腐れ大あほくそウサギ】の首と胴体がスッパーンと真っ二つに分かれていた。首ちょんぱである。その先には銀色の鈍く輝く2本の曲刀をクロスにさせ、【しゅたっ!】っと格好よく決めポーズのままに立ち止まっている【カマキリ】もとい。ピンクのおチビ。美魅がいる。


「ミ、ミ、ミ、ミミさま~~~っ!」


涙が溢れ出る。お鼻水も流れ出る。

正義のヒーローに駆け寄り、熱い抱擁を・・・

する前にヒラリとかわされる。勢いよく飛び付こうとしたもんだから当然、勢いよく【ズダーーン!】とぶっ倒れる。顔から。倒れる時は前のめりだぁ!


「美魅さま~っ??」(涙。鼻水多。+鼻血(New)。)


「いや、あまりにもきちゃないんで・・・」


頬をポリポリと人差し指で掻きながら、申し訳なさそうにする美魅。


「すごっ!凄いよ~美魅~っ!」


美優と美香も二人に駆け寄ってきた。


「あのウサギ、、、僕が一番小っちゃいからって1番先に突っ込んできたんだわ。許せない!」


瞳に炎が灯されている。暑いじゃないか。まぁ、たまたま1番に攻撃されただけなんだと思うんだけど、いつもの自意識過剰というか、被害妄想爆裂というか。触ると火傷しそうなのでそっとしとこう。


あと一匹はどうなった?と気になり、【スイカ割り会場】に目を向けると、ちょうど美月の振り下ろした剣がウサギの側頭部に掠り【なし汁ブシャ~】状態で倒れこむ姿が見えた。ム、ムゴイ・・・

よく見ると美月も擦り傷だらけだった。なんにせよグッジョブだよ。美月!


「あははは~っ、バタバタだったねぇ~っ」


パタパタとご機嫌に笑いながらバドが飛んできた。


(チッ裏切り者の羽根ムシがっ)


役立たずにはこれくらいの扱いで充分だ。


肩で息をしながら辛勝した美月も駆け寄ってきた。んまぁ、上出来だ。


「あーあー、二人とも怪我しちゃって~。よーし、僕が治してあげるよ~っ」


といいながら、もうお馴染みになってきつつあるお尻フリフリをしながら、、、


「リッフレーーーッシュ!」


と可愛い声色で叫ぶ


すると、キラキラキラキラって光の粒が美里の太ももに注がれる。その光の粒が消えると共にグロい感じになってた傷も全く何事もなかったかのように綺麗になっていた。


「すっごっ。魔法!すっごっ!」


5人みんながその光景をみて、思わず感動を覚えてしまった。


同様に美月にも魔法をかけようとするバドに、「ちょっと待って」と美優が声をかける。


「私の職業は【ヒーラー】なのだから、私が真似してやってみる」


やる気に満ち溢れた美優の表情。大体こんな表情の時の美優なんてのはロクな事がない。


「う、うん。」


と、ひきつった表情をしてるのは実験体にされる美月である。あー、哀れだ×3。


玩具売り場で幼児達が集ってきそうな素敵な【マジックステッキ】を天高く突き上げ、お尻(特大)をフリフリしながら綺麗な声で


「リッフレーーーッシュ」


と呪文?を唱える。と、バドの時同様のキラキラが。いや少し違う。キラキラした液体が美月にふり注がれ、傷が癒えた。。。びしょ濡れだが。


「おーっ、すっげぇ~。一発おっけーかよ!」


驚きの3人と、どや顔の1人、そして魂が抜けかけ昇天しそうな顔をしてるのが約1名だ。びしょ濡れで。


それにしても、、、

美優のケツは相変わらず存在感パネェな。セクシーを通り越して武器だな。うんあれは。。。ん?

ってか、【すていたす】で真っ先にデリートしたのってそう言えば、、、


Hの数値を隠すためだったのかね??

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ