第4話 すていたす
「ところでさぁー」
トコトコと歩きながら、背中に大きな盾と左腰にこれまた大きな剣をぶら下げて歩いてる二人を交互に見ながら美里は口を開く。
「ミヅキのその仰々しいバカでかい剣とか、ミカの超ドでかな盾とかってめちゃめちゃ重いんじゃないの?」
美月と美香はお互いを見合わながら
「筋力っていうステータスが【A】になってるから平気なのかも」
大岩でも持ち上げるかのように両手を広げ、上へ下へと2、3回曲げ伸ばしして美香が答える。なにやら「うっほうっほ」と聞こえてきそうだ。
「うちは筋力【B】やでぇ~」
ほうほう。脳筋の美月はいいとして、ポッチャリ女子の美香の方が数値が高いのか。ポッチャリだからパワーがあるっていう事なのかな?奴は見かけ倒しの自称【か弱い女の子】というひ弱っ子だったのに。バントを始める前までは、夏は【縁夕部】(縁側でゴロゴロと夕涼みをする部)、冬は【ごろみ部】(こたつでゴロゴロしながらみかんを食べる部)という名の帰宅部だものね。
因みにそれぞれ他のみんなもバントを始める前は違う部活動に精を出していたものだ。
美月は陸上部
美魅はバスケ部
私は家庭科部
美優は習い事やら学習塾などが多々あった為帰宅部だ。
中2の冬頃にはみんなバントメンバーになって何故か一斉に家庭科部に入部したんだけどね。軽音楽部?そんなものうちらの中学校にはなかったのだよ。
閑話休題
「私筋力は【D】だったよ」
「じゃあみんなそれぞれ【すていたす】って数値は違うんやろかなぁ?」
「そうかも知れないね。だって職業だってみんなバラバラだもんね」
という事でみんなに聞き取りを行いそれぞれのすていたすがこんなだというのがわかった。
美香
筋力 : A
体力 : C
生命力: B
敏捷性: D
魔力 : D
魔防御: C
知力 : D
美魅
筋力 : D
体力 : C
生命力: D
敏捷性: A
魔力 : D
魔防御: D
知力 : D
美優
筋力 : E
体力 : D
生命力: D
敏捷性: D
魔力 : B
魔防御: C
知力 : A
美月
筋力 : B
体力 : A
生命力: C
敏捷性: C
魔力 : C
魔防御: C
知力 :
「おやおや~?ミヅキさ~ん?」
「ん?」
「知力の方はいかほどでして??」
「・・・です」
「「「「聞こえませぇ~~~ん!!」」」」
「・・・ですってば」
「「「「何だって~~~っ??」」」」
「あーっ!もーっ!Eだよ!Eー!!」
4人で肩を並べてプルプル震えだす、、、
「クックックやっぱあれだわあれ」
「そっ、そうだねぇ~あれだからねぇ~」
「そ、そんな事言っちゃーダメじゃない、ぷぷっ」
「ケタケタ。んま予想通りってか、期待を裏切らないって言うか」
「なっ、何をこそこそ言ぅてんねんや?言いたい事があるんやったらはっきり言ぅたらええやんかー!」
「「「「ごめんなさーいねっ!脳筋ちゃん!」」」」
「くっ、、、」
真っ赤な顔をして下唇を噛み締め俯いておる。ぷぷっ弄りがいのあるやつだわ。可愛いのー。
「おーい。君達がギャーギャー騒いでるからモンスターに気付かれたみたいだよー」
バドが両手を上げ、右へ左へと走りまわっている。いや飛んでいるから走ってるって言わないのか?
「「「「「モッ、モンスター!?!?」」」」」
前方を見ると、さっきまでイチャイチャしていた例のリア充ウサギが私達を先回りしてきたのか、ドドドドドーッと勢いよく走って来ている姿が見えた。
ヒェーッ!