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第2話 異世界はカルいぜっ



《ドッヒューーーーーーン!》


「「「「えっ!?」」」」


後頭部をひっぱたかれた美月は10メートル程吹き飛ばされた。おいおい、リアクション芸人も真っ青な飛びっぷりじゃないか。


「やり過ぎじゃない?リアクション芸人」


「いやいや、ちょっと前のめりになった程度やよ?」


と言いつつ後頭部を擦りながら照れ笑いのまま小走りで戻ってくる美月。軽くどや顔である。


「って言うかなんか身体が軽く感じない?」


そう言われてみればそんな気もする。みんなも肩をクルクル回したり、太ももをタッタかと上げてみたりしてみた。


「うん。なんか変な感じだよ」


そういって美月は美魅に振り返りながら


「おーい、バスケ部」


「元バスケ部だよ」


そう、美魅は中学時代にバスケ部に所属していた。チビなのに。いや、チビだからバスケ部に入部していた、理由?バスケしてる子はみんな背が高いでしょ?バスケすれば背が高くなるんじゃない?と考えてしまうバスケ部員はそんな少数派ではないはず。


で、美魅?結果は?・・・・・・なんて

そんな事は言わないの。


「ちょいと真上にジャンプしてみそ?」


「ダンクシュートだよ!ダンク」


ケタケタと笑うポッチャリの美香。


「人が華麗なレイアップシュートを決めてるのにボーリングしてるみたいとかってバカにしてたよね確か」


と、美魅はブーブー悪態をたれながら両腕を顔の前にし、膝を曲げ「せーのーっ、ほっ!」と垂直に飛び上がった。


ビューンと空高く?4、5メートル程まで飛び上がり、ふわーっと軽く着地をした。


「うぉー!凄ぇーっ。まじダンクシュートうてんじゃん」


見てた人も飛び上がった人間も驚いた表情で顔を見合せた。


「これって、、、地球とは違う重力なんじゃない?」


と人差し指と親指で顎を擦りながら美優は呟いた。


「どいうこと?」


「つまり、地球とは違う星?にいるって事かな?例えば月の重力って地球の6分の1くらいって確か聞かなかったっけ」


「じゃあ、ここは月なの?」


「月かどうかはわからないけど、ここは地球よりも大きさが小さい星。なんじゃないかな?」


美里、美月、美香、美魅はそろって斜め45度に首を傾げる。


「難しい事は私もよく解らないんだけど、『ニュートンの第2法則』だったかで習ったような気がするんだけど・・・」


「うん。難しい事言われても解んないんだけども、取り敢えず地球よりは『俺Tueeeee』が出来るって事よね?」


目をランランと輝かせて美香が言った。やる気満々である。


「その『俺Tueeeee 』ってのが何なのか僕にはわからないんだけど」


シュッシュッとシャドーボクシングをしながら美魅は言う。奴もやる気満々である。


「君達がここに来たときにこんな物も一緒に落ちてたよー」


と森の妖精バドミールは自分の身長と同じくらいの高さの羊皮紙を抱きかかえながら小さな羽根をパタパタ羽ばたかせていた。

美月はクルクルに丸まったそれを受け取り広げて目で追って読んでみた。


「何か書かれてるの?」


「うん。例のドラゴンとやらのメッセージっぽい」


と何か上のソラ気で美里にその用紙を渡した。


「どれどれ、、、」




※※※※※※※※※※



異世界より訪れた選ばれしモノ達に依頼を頼む。


依頼内容


この世界に存在する5つの龍の魂を集めそれを持って余の元へ訪れたし。



選ばれしモノに少ないが加護を与える。

それぞれの左の腕に旅に必要となる道具を付与したので有効に使うがよい。



※※※※※※※※※※※



「左腕・・・」


と言いながら袖をまくり上げる、、、


「あーーーーっ!」


美里は絶叫しながら左腕を上に上げた。


「龍のタトゥーが入ってるーーー!!」


ヒラヒラと手に持っていた羊皮紙を落としながら膝から崩れ落ちる。

何を勝手にこんなものを。こんな事をしてるんだ!もうすぐ社会人になるんだってのに。刺青してるような新入社員なんて絶対ダメじゃん。どうしてくれるんだよ!顔面蒼白である。


泣きそうな顔でどうしよう?と横にいる美月に声をかけようとしたが、美月は中空を朧気に見ながら左半分の口角を吊り上げ不適な笑みで佇んでいる。


「おい、何変態チックなニタ顔してるんだよ!5回死ねよお前」


その変態顔の美月に肘鉄を食らわせる。


「ミサト。そのタトゥーに触れてみてよ」


「えっ?」


半信半疑なまま虹色に輝くそのタトゥーにそーっと右手を触れてみる。。。


と頭の中にイメージが湧いてきた。




※※※※※※※※※※


ミサト(18歳)


身長:158cm


体重:45kg


スリーサイズ:82・59・87


職業:魔術師


魔属性:火属性・水属性・風属性・土属性・光属性・補助魔法属性


筋力 D

体力 D

生命力 C

敏捷性 D

魔力 A

魔防 D

知力 C


持ち物:

冒険者のナイフ

魔術師のローブ(初級)

黒龍の金貨


※※※※※※※※※※


「なんか、色々とモノ申したい事があるんだけど、、、」


げんなりとした気持ちで美月に話しか、、、


「「身長とか体重とか!スリーサイズなんか必要ないんじゃないの?ステータスに!!」」


ピンクのチビと茶髪のポッチャリちゃんが激怒しながら叫んでおる。


「このステータスって部分的にシークレットに出来るみたいよ?」


と、必要のないステータスを隠せるようにしたと言う美優がニコニコ顔で二人に告げる。ミュウは隠さないといけない何かがあったのだろう。


いそいそと隠し事にふけるチビとぽちゃ。んじゃー私も。って美優にやり方を教わりながら秘密の※※を消していく。


ふーっ。と落ち着きを取り戻した3人。ふと横を見ると美月の服装が変わっていた。


「み、美月?その衣装どったの?」


例によって目をランランキラキラして美香が羨ましそうに美月に歩み寄る。


「その、タトゥーに触れながら持ち物って意識をすると、持ち物が取り出せるみたいやねんよ。で、うちの今持ってる剣?に意識すると『装備しますか?』って頭のなかに問いかけてきた。みたいな感覚になったから、ふんふんと思てたら手に持ってた。この胸あて?もそうやねん」


剣?胸あて?私とは持ち物が違うんだ。


美里はそう思いながらそっとタトゥーに触れ、持ち物を意識し、ローブとナイフを装備してみた。


持ち物の欄にローブとナイフは消え、美里に装備されていた。替わりに持ち物の中に異世界の服というのが項目に入り、着ていたものが消えた。


「おー、ミサトは魔法使いなんや?」


右手に持った剣をクルンクルンと回しながら美月は問いかけた。


「剣を振り回すなよ。アブねぇーなっ!美月は何?剣士?」


「んふっ。うちは勇者やよ」


「美月らしいっちゃあらしいよね。私は魔術師らしいよ」


「へー。魔法使えるんや~」


「使えるかどうかはわかんないけど、職業ってとこにはそうなってるねぇー」


とそこにドでかい盾を持った茶髪がとぼとぼとやって来て


「職業タンクじゃ『俺tueeee』出来ないじゃん!」


涙を流しながら美香が両腕両膝を地面につきうなだれている。


「職業タンクってなーに?」


美里美月が首を傾げる。


「タンクってのは、盾役なんだよ。敵からの攻撃を守るの。攻撃に参加する事は殆んどないんだよ」


「ミカにぴったりじゃん?に、似合ってるよ。ねぇ?ミサト?」


「そっ、そだねー。ミカが守ってくれるなんて安心以外のなにものでもないよ?」


「デブだからか?デブだからいけないのか?」


「そんな事ない!ミカはデブでもない。少しポッチャリしてるだけだよ」


これは慰めなのか?自分でもよく解らないが機嫌を治して欲しい。


どうやらみんなそれぞれ職業が違うらしい。


美月:勇者

美魅:戦士

美香:タンク

美優:ヒーラー

美里:魔術師


だった。どうなの?これで依頼を無事に果たせる事が出来るのかな?


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