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プロローグ
大切にしなければ忘れてしまう、何より大切なもの。それは水のように静かにそこにあって、私たちを安心させてくれる。
突然現れたかすかにゆらめく影。久しぶりに見たそれは目をこらさなければ見えなくて。
知らない間に引き寄せられて、いつの間にか回りだす。
とあるきっかけで見え始める様々なもの。
振り絞った勇気の側には笑顔が咲く。
あれは昔から心の奥で動いていた。今自分で動き出せば、それはもう手の中に。
それぞれに揺れる恋心。いつか自分の居場所を見つけられますように――