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私は冷たい墓の上に座って、自分の身体が土の中で腐っていくのを何日も眺めていた。
兄上がくれた饅頭には附子でも入っていたのだろう。あれを食べてすぐ、私は何度も吐いた。胃にのたうちまわるほどの激痛が走り、最後はくっ、と気道が狭まったまま、息を吸うことも吐くこともできなくなった。
私が事切れた時、母上は呆然とした顔で私を見ていた。母上は涙を流し、大声で私を責めた。
「なぜ死んだ、なぜ愚かにも正妻のくれた饅頭など食べた!私はお前のためにすべてを捧げてきたのに、お前がこの母の無念を晴らさずに先に死ぬるなど、許されることではない!」
母上は屍の私の頬を何度も打った。そして不甲斐ない息子の骸を置いて出て行った。
私は兄上が好きだった。たとえ母が違っても、私のたった一人の兄だから。難しい漢文の読み方を教えてくれたから。私は母上が好きだった。がんばって修練して、立派な陰陽師になって母を喜ばせたかった。
けれども、だれも私を愛してはいなかった。兄にとって私は自分の立場を脅かす邪魔な存在だった。母にとって私は、自分の無念を晴らすための手段だった。
今となっては私はもう、ただ地中で腐っていくだけの骸だった。




