黙っていられなかった
とうとう言おうと決意する
何度も何度も言いたい衝動を抑えてたけど
隠さなくてもいいよ
もう知ってるから
ヒロは気づかれてないと言う確信の元にLINEを送ってくる。
そのたびに、りんの心は苦しんだ。
知ってるのに、、、
知ってることを言いたい。
どうしたらいい?
どう切り出したらいい?
その夜りんは決意した。
ヒロのLINEにアルバムを作った。
タイトル 『心に響く』
投稿ボタンを押す瞬間、手が震えた。
でも、それでもその写真をアップした。
彼からもらったお気に入りの風景や
話題にした温泉地の写真も入れた
彼が船でおきに出て、風にふかれ髪が流れ、遠くを見ている写真、誰が撮ったのかわからないがとても哀愁を感じていたので、それも入れた。
それは、告白でも暴露でもなく――
**「あなたも気づいて」**という祈りだった。
⸻
彼の画面にもそれは表示された。
ヒロは、スマホの画面を見て凍りついた。
「……バレてる。」
写真の中の自分が、今の自分より裸だった。
あの試合の敗北。
名前。
顔。
何もかもが、りんの手の中にあった。
そして何より、そのタイトル――
「心に響く」
それが、何よりも静かで、強烈だった。
彼はスマホを伏せ、
天井を見つめたまま、目を閉じた。
文章にすれば短いけど
りんの心の葛藤は長かった。
それを表せなかった。