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知らなければよかった

ひょんなことから彼の名前を知り

また、見た一枚の写真に衝撃を受けたりん

同様な渦に巻き込まれる


ひょんなことから、彼の名前を知った。

そして——見た一枚の写真に、息が止まった。


押さえ込まれた肩。苦悶の表情。

その下に、小さく刻まれた文字——「鈴木裕」。

「スズキヒロシ」と名乗った彼の、もう一つの姿だった。


その夜、りんはLINEを開き、指を迷わせながら打ち込んだ。

努力して、たとえ報われなかったとしても

あなたの生きてる証の写真に心惹かれました


送信ボタンを押した瞬間、胸の奥が震えた。

それは本人に見せられない写真。

「どの写真?」と聞かれたら——どうしよう。


真実は言いたい。

でも、調べたと思われたら嫌われるかもしれない。


カタカナの名前しか出さない彼。

時に政治家や大使の名前を出して、自分を隠す。


この写真、あなたがくれたわけじゃない。

私は、あなたが隠したかった名前を知ってしまった。


フェアじゃない。

何も聞かれなければ、何も言わずにいられると思っていた。


画面を閉じる。スマホを伏せる。

なかったことにしようとしても、もう遅い。


名前を知ってしまった。

写真を見てしまった。

想いを、送ってしまった。


「……どうしよう」

静かにつぶやいた声は、誰にも届かない。


たった一枚の写真が、凛の気持ちを変えた。

そして話は、思わぬ方向へと走り始めていた。

だった一枚の写真が凛の気持ちを変えた。

話は思わぬ方向へと走り始めました。

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