表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
37/37

みのることのなかった恋

挿絵(By みてみん)


私たちは、お互いに恋をした。


それなのに、近寄ろうとはしなかった。

本気になってしまうことが、お互いにわかっていたから。


彼が送ってくる写真には、いつも少しだけステータスが混じっていた。


ランボルギーニの車体の一部。

六本木の限られた人しか見られない景色。

帝国ホテルのバーラウンジ。


私はいつも違うものを送った。


月の写真。

花の写真。

料理の写真。


そして、こう伝えた。


「鎧を脱いで待ってるから。」


しばらくすると、彼から少し変わった写真が届くようになった。


お好み焼き屋のマスター。

仲間と笑い合うバーベキュー。


ああ、この人も鎧を脱ごうと、一生懸命努力しているんだ。


そう思った。


けれど、その一方で、彼のFacebookには、

一億円の時計、

ファーストクラスで向かうイタリア旅行、

高級な酒のボトルが、次々と並んでいった。


私が「鎧を脱いで」と言うたびに、

彼は鎧を脱ごうとする。


でも、気がつくと、

もっと重く、もっと硬い鎧をまとって戻ってくる。


「これが俺だ。」


そう言わんばかりに。


私たちは、確かに恋をしていた。


でも、最後まで近づくことはできなかった。


私が欲しかったのは、鎧の中にいる彼。


彼が見せ続けたのは、誰にも傷つけられないための鎧だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ