衝撃派
突然の出来事にびっくりした
意識まで失った
だが、それは一生の思い出になる出来事だった
風呂から上がった時、ふと何かを感じた。
ひろの気配のような気もした。
まさかね――と、すぐに流した。
この日は体調も悪く、ごろごろしていた。
畑のバジルでジェノベーゼを作り、ゴーヤとしその葉でペペロンチーノを炒め、家でのんびり過ごしていた。
ハードスケジュールをこなした後の、束の間の休息。
心も身体もゆるんでいた。
風呂上がり、ソファーに寝そべった瞬間だった。
胸を貫くような衝撃が走った。
息が詰まり、心臓が締め付けられる。
押しても押しても押し返される。
呼吸すら苦しく、胸を擦りながら必死に耐えた。
あくびが込み上げ、一瞬楽になる。だがすぐに再び圧が襲う。
しまいにはみぞおちが掴まれるように痛んだ。
それは痛みではなかった。
声なき叫び。
理性の鎧を突き破り、彼の奥底から溢れ出た想いが、波となって私を打ったのだ。
私はただ、受け止めるしかなかった。
苦しい。
けれど、その苦しみの奥に、確かに彼の気配があった。
彼も同じように苦しんでいたのだと思う。私以上に。
そして一気に、出し切ったのだ。
――私はそのあまりの強さに、意識を失った。
気を取り戻したときには、もう全てが終わっていた。
部屋はとても静かで、何も感じなかった。
不安はなかった。
ただ共鳴し続けていた。
彼は何も言わないだろう。言うはずもない。
けれど私は知っている。
あの夜、私に届いた衝撃波は、彼からのメッセージだったのだ。
後にも、先にもこんな体験はする事はないでしょうね




