番外編:夕日の人・前編
京都で出会った一人の男性との記憶です。
最初は違和感から始まり、淡々と続いていった日々。
けれど、少しずつ心に浸透していく存在になりました。
これは、その前編です。
京都にいた時の話。
この人の喋り方嫌い、が最初の印象。
なんかわざとらしくて自然ではない。
どこに問題があるんだろうとそればかり考えてた。
そのうち慣れる?なかなか慣れない。
それでもデートは続く。
ある日感じたことをメールした。
「あなたは今目の前にある沈みゆく夕日のようだ。眩しい」
決して褒め言葉ではなかった。
だが彼は褒め言葉と思ったのか、すぐに電話がかかってきた。
なんかやっぱ違うよなぁ。
それでも毎日電話がかかってくる。
会えば体も合わせる。
それでもずっと一緒にいたことはなかった。
京都を引き上げる日が来た。
「ここに来ればいい」と言った彼に、なんの躊躇もなしに「いや、実家に帰る」と答えた。
毎日電話で話してても、会えば体を合わせても、溺れることはなかった。
その後もそれは続いた。
出張で京都に行くと会っていた。
電話は相変わらず毎日。
「アメリカに一月ほど行く。旅費は出してやるから一緒に行かないか」
揺れた。正直行きたかった。
でも仕事がそれを許さなかった。
あんなに毎日、何を話していたのかさえも今は思い出せない。
出張で彼の家に泊まるが、終わるとさっさと帰ってくる。
本当に泊まるだけ。
体を合わせてても甘いものは感じたことがなかった。
それなのに気がついたら、少しづつ心に浸透していた。
そんな中、ある日突然メールが来た。
「結婚する…」なんちゃらと長いメールだった。
ショックはなかった。
そう、、、それだけ。
淡々と続いていた日々の中で、彼の存在は少しずつ心に染み込んでいった。
けれど「結婚する」という言葉で、物語は新しい局面を迎えます。
次回、後編へ。




