表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/73

愚か

 健太は所長候補だと聞いていたが一向に所長にはなっていなかった。美佐子はパート仲間にそれとなく話題にしてみると子供がまだ小さいから打診を断ったらしいと聞いた。家庭を大事にしているんだな、いいお父さんなんだなと思った。俊介はそこまではしてくれなかった、だけどそれは私が専業主婦だったからかとも考えた。他人の旦那はよく見えてくるものなのか。でも、俊介は陽菜の運動会には仕事を入れずに参加してくれた。父兄の綱引きには一番後ろで引っ張って目立っていたなと思い出した。運動会の夜に陽菜と「パパ、カッコよかったよね」と会話したことを思い出した。健太も自分の子供の運動会にそうやって参加しているんだろうか。子供はまだ小さいんだろうか。所長の打診を断った位だから。奥さん働いているんだろうか。何してる人なんだろう。出身は?住まいは?健太のことが何でもかんでも無性に知りたくなってくる。体の内側からこみ上げてくるこの気持ちは一体何なのか。この気持ちをどう処理したら?今までに味わったことのない気持ち。毎日毎日健太の事ばかりを考えてしまう。夕飯の支度をしている最中も。陽菜と一緒にいる時も。俊介が隣で疲れて眠っている時でさえ。寧ろ、俊介が健太であってくれたら、いや、あって欲しいとさえ願ってしまっていた。もしかして、目を瞑って願い、開眼したら俊介が健太になっていないだろうか。そんな愚かなことを願ってしまう。きっと俊介はいい父親なんだろう。仕事も頑張っている。隣で見ていてわかる。ただ仕事の多さに忙殺されているのだろう。余裕がないのは解っている。だけど⋯だけど⋯得体のしれない何かが噛み合っていない気がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ