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砂利敷

 漸く和香のこの家の外回り、外構工事に着工した。引き渡し後直ぐに工事に着手できなかったのは和香の流産があったのが一番の理由だけど、陽菜も生活の拠点をこの家に決めるにあたり、陽菜の引っ越しも然り、美佐子との話し合いその他諸々、何だか嵐のように色んな事が畳み掛けてきて僕がその速さに追いつかなかったというのが本音。南に面した本来は納戸扱いの部屋を陽菜の部屋にした。一番明るくて勉強にも集中できるだろうと和香からの提案だった。白のクロスに一面だけアクセントクロスとして同じ基調のグレージュ、これは大輝がセレクトしたものだという。和香は陽菜に「本当はここが大輝用の部屋だったのよ。」と伝えていた。陽菜は喜んで使っていた。残りの二部屋は季節が暑い時期は北向きの部屋を寝室にして南向きの部屋は僕の書斎に、季節が変わって寒い時期は南向きの部屋を寝室にして、北向きの部屋を僕の書斎へと交代させた。ベッドではなく布団を使用することによってこの交代は容易く可能になる。この部屋は引き戸で仕切られているだけで移動も簡単だ。ベッドを処分して正解だった。季節によって寝床を変えるのも趣があっていいなと思えた。そして黒猫たちが一番喜んでくれているのが「猫ちゃん夢中で困ったな」で、抜け道のくり抜いた輪っかの中を黒猫たちがくるくるとアスレチックのようにくぐり抜け走ったりする様がなんとも楽しく、見ていて飽きない。一番上から僕たちを見下ろしている顔がなんとも言えず、思わず笑ってしまう。

「素敵なお家を俊介さん、ありがとう。感謝します。」

和香が発した言葉だけど黒猫たちにも言われている様で。照れちゃうな。なんて。

「こちらこそ。陽菜もお世話になってしまって⋯。それからね、外構なんだけど、名義が違う土地部分は砂利敷で明確に和香との土地の境をつけたらどうかな。後々その方が対応しやすいと思うんだ。コンクリートを流すよりも。」

と外構の図面を見せた。家の外壁は無機質なガルバリウム鋼板のため、外構もあえてのオープンでシンプルさが似合うだろう。旗竿地の竿の部分は轍の部分のみのコンクリート、和香の希望でサイクルポートを玄関前に配置することで自転車やバイクから帰ってきても濡れずに玄関に入れる仕組み。玄関で合羽を脱いで掛けられる収納式の物干し。他の土地には人工芝でお手入れ不要⋯。シンプルだけど、それが究極の美しさ。和香のチョイスのサイクルポートはアルミ製のシルバーグレーで都会的なイメージ。今までのポリカーボネート製の屋根のものとは別格で洗練されている。こういった選択は僕の好みとも100%合致していて、心地良い。

「外構もあっての家ね。」

そうだね。家のイメージに似合っていて和香の選択は素敵だと思うよ。

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