破り
一部ショッキングな描写があります。気になさる方は読まずに閉じてください。
【 必ず お 読み ください 】 この 文章 は 自傷 行為 (リストカット、アームカット、レッグカット)の 描写 を 含み ます 。 助長 する 目的 は あり ません。 お 辛い 方 は 閲覧 を お 控え ください 。 今 お 悩み の 方 は 、 必ず 相談 窓口 へ ご 相談 頂ければ幸いです。
他人と自分を比べても何も良い事はない。ろくな事にならない。そんな事は子供の頃から分かっている。分かっているけど結局そうなってしまう。この悪しき習慣が引き金になった。
和香は美佐子が帰ってからもずっと美佐子の言葉を考え、美佐子の輝いた美しさと自分を対比させ、惨めな気持ちと、もしかしたら俊介はまだ美佐子に気持ちがあるのではないかとも思えたり、やはり美人が好きなのではないかと勘ぐったり。離婚した後もこうしてやりとりをしているのも、たとえ陽菜がいることが理由であっても切れない関係があり、私には入る余地がないと絶望したり。私は愛されない人間なのだ。自分の前夫は離婚後は養育費どころか全く足取りすらも分からないというのに。この差は一体何なのか。俊介の支配欲って何なんだろう。結婚生活では美佐子を支配していたのだろうか。段々息苦しくなってきた。まずい。涙が出てくる。自分がものすごく価値のないものに感じてくる。いつものあの気持ちがぶり返してきた。この喉と耳の奥が詰まる感じ。こんな価値のない人間は罰してやらなければ。鋏を探す。どこ。どこにある。引出しを漁るも中々見つからない。引出しを片っ端からひっくり返してやっと見つけた。喉のつかえをなんとか呑み込み既に呼吸は荒く、口呼吸をしていた。ズボンを下ろし左手と口で鋏を開き左手で鋏を持ち刃を右の太ももに当て一気に引いた。左手では上手く力が入らずあまり切れなかった。チリッと痛い。これは罰だ。薄っすら赤い線が出ただけだった。自分で呼吸を宥めようと落ち着かせようとした。次第に落ち着きを取り戻した。いつもと同じ様に終わった。あんなに俊介とキスの約束までしたのに。私は破ってしまった。もう私は俊介に相応しくないのかも。否、大丈夫だよ、元々ひとりなんだから。もう失うものもない。大輝はもう私がいなくとも生きていけるから。暫くひとりで泣いた。一頻り泣いて血が止まったら傷を軽くティッシュペーパーで拭い絆創膏をつけた。これでいい。ズボンを履きひっくり返していた引出しを元通りに直し片付けた。もう大丈夫だ。大丈夫。呼吸を落ち着かせて⋯。もう時刻は夕方になっていた。
一部ショッキングな描写があります。気になさる方は読まずに閉じてください。
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