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スープカレー

 竹内さんの葬儀の翌朝、何となく気まずい感じの宮島さんが可愛いかったけどからかうのもなんだし。平静を装って朝ごはんの準備はしておいた。食べられるかな?とか思いつつ。何か飲むのか尋ねると牛乳なら、というので冷蔵庫の牛乳をついであげた。そうこうしているうちに本当に時間がなくなりとりあえず出勤した。

仕事中も何となく集中出来なくて、書類は溜まっていたけどもうとりあえず残業するのはやめて帰宅することにした。今日はもう効率悪い。また明日やろう。

帰宅すると宮島さんは夕飯を準備してくれていて、先にお風呂どう?と促してくれた。こういうの最高に幸せ、と伝えると「今日は休みだったから。」とそっぽを向いて頭を掻く。昨晩の罪滅ぼしかな?なんてちょっと思いながら。お風呂でリラックスした後に宮島さんのお手製のカレーを頬張る。宮島さんのカレーはスパイスにも拘りがあるけど具も大きくて、手羽先を焼き目を付けてから入れてあり、どちらかというとスープカレーのような。でもちゃんとコクもあって。「宗像さんが教えてくれたベジブロスも使ってみたんだ。」と教えてくれた。ベジブロスは野菜くずから取った野菜のだし。取っておいたの使ってくれたんだ!

「んー、とっても美味しい。私なんて普通にカレールウ使っちゃうから⋯。」と感想を述べたら

「そういうのが一番美味しいし、結局それに戻っちゃうからね。僕も食いしん坊だから。」といつもの柔らかい笑顔で返してくれた。期限つきの同居生活だけど宮島さんがこんなに近くにいてくれて。昨晩は事故でたまたま酔い、たまたまバランスを崩し、たまたま私の首すじに唇を掠めてしまっただけ。それだけだけど。きっと宮島さんは覚えてくれていないのかな。あれだけ酔っていたのだから。でも。倒れ込むときに私を庇って下になってくれた。本当に覚えてないの?って聞きたいけど聞けない。なんでこんな所で遠慮してしまうのかな。覚えてないって言われるのが怖い、多分。こんなことでいちいちときめいてしまう乙女の年齢じゃないのにな。

宮島さんは私がカレーを平らげてから竹内さんの後任の現場監督を今度紹介すると言ってくれた。良かった。本当に心配してたから。ちゃんと考えてくれていた。ありがとう。


「ええっ?マジっすか?!宗像さんとタメすか!いやぁ~嬉しいっす。」

竹内さんの後任の矢田さんは私と同い年でよく喋る明るいタイプだった。

「え、じゃあドリフとひょうきん族どっち派でした?クラスを二分してましたよねぇ。」

次から次に話題が変わり頭の回転が早い人みたいだった。

「ん〜加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ派?」

と私が答えると

「ぶはは、マジっすかぁ〜そう来たかぁ。不意打ちっす!」

矢田さんは転んでも気にしないで直ぐ起き上がるタイプです!と自己紹介していた。なるほど、宮島さんがお笑い芸人向きと表現した意味が分かった。ずっと私は笑い転げていた。

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