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美佐子について
元夫、俊介に不満はなかったと言ったら嘘になるが俊介が忙しすぎて家庭、いや美佐子を顧みなかったと感じていた。そして俊介の「完璧主義」さに本当に参っていた。
今は俊介からの養育費と母子福祉手当、パートの収入で生活している。俊介が残してくれた家に娘の陽菜と住む。オスのトイプードル「モカ」の存在も付け加えておく。
小さい頃から「かわいい」と言われて育ち、大きくて魅力的な瞳、艶やかな黒髪と唇、贅肉をそぎ落とした肉体が彼女の魅力だった。中学でサッカー部の「吉田くん」から告白されて以来、自分から告白したことはなく交際相手には困らなかった。東京の女子大を卒業後、ハウスメーカーに就職し、そこで同期入社の俊介と出会った。俊介の長身で目の印象が強く、精悍な顔つきに欠点がなかったため、大学時代に付き合っていた彼氏と別れた頃に積極的に誘われ、交際し結婚し退職。周りからは「お似合いの二人ね」と言われた。俊介の退社のタイミングで彼の勧めもあり同じハウスメーカーでパートの事務員として復帰、働き始めた。




