眼鏡とサンルーム
仕事で認知症を患う利用者様をヘルパーふたりで入浴介助をしてる際、利用者様の手が和香の眼鏡を奪い床に投げられた。あっという間の咄嗟の事で私も避けられなかった。ヘルパーも私も勿論利用者様にも怪我は無かったが眼鏡のレンズが傷ついてしまった。あ～ぁ⋯気に入った眼鏡だったのに。ふぅ。仕方ない。新しくするか。見かねた施設長がポケットマネーで一万円補助してくれた。ラッキー！⋯そんな事を言っている場合じゃないけど⋯ちょっと補助（？）が出たから、あの鯖江の職人さんが作ってる眼鏡店⋯私のお気に入り。店長さん面白いし。早速行ってみる。色々と品定めしているとひとつの丸眼鏡に釘付けになった。レンズを縁取る丸はあくまでも小ぶり、ブリッジと鼻パッドを一体化させ、使用する部品を極限まで減らした究極のシンプルデザイン。部品を最低限しか使わない潔さと勇気。結局これが職人の技術と潔さ。美しい眼鏡だった。枠の素材は悩んだけど結局チタンゴールドにした。「あぁ。これね。新作ですよ！職人が丹精込めて作っています。究極のシンプルイズベスト。ユニセックスデザインで男女問わず。実は宗像様の前にもお買い求め頂いたお客様がいらっしゃいましてね。男性なのですが。その方もとてもお気に召された様でした！」店長も満足げ。へぇ。私の前にもこの子を気に入った人がいるのか。視力検査もして、出来上がりを待った。
程なくして宮島さんから図面が出来たから是非見て貰いたい、と打診があった。図面作成にあたり今の家の不満や不便さを教えて欲しいと言われたがほぼそればかりでお気に入りの所といえば唯一、サンルームだけ。サンルームといっても昭和のサンルーム。本当古いけど。天候に関係なく洗濯物干せるから。まぁ、その点は良かった。けど夏は暑くて冬は寒い⋯どうにかならんもんかな？でも最近は浴室に干すのかな。浴室乾燥暖房？あっ！衣類乾燥機とかあるか⋯。最近の住宅設備ってどうなっているのかしら。それとなく宮島さんに聞いてみると今度メーカーのショールームに一緒に行きませんか？と誘ってくれた。
