安心
「既にご存知の事と存じますが、宗像様の土地は色々と制約があります。一筋縄ではいきません。ですが、建て替えられない訳ではなく、ひとつひとつ工夫をしていけば建て替えは可能です。是非私にお手伝いさせて頂けませんか?」
俊介は和香にこう話した。ありがたかった。建て替えできるんだ、この家。問題は後は⋯お金⋯かな。銀行の借り入れも含め、宮島さんとは色んな話をした。土地の事、勿論建物のこと、仮住まい、それから勿論金銭的なものも。小さいことからひとつずつ、丁寧に私の不安を潰していくように。無理しないで進めて1年から1年半後位には新居が完成すると教えてくれた。これからどんな1年になるのかしら。1歳確実に年を取ってしまうな、なんて呑気なことを考えながら。宮島さんと家づくりをしていく決心をした。早速大輝にもその旨伝えた。「へぇ~っ。新しい家になるんだ。」まるで他人事のようだった。大輝は歴史以外に興味ないのだ。こいつめ。どんな思いで私が育てたとおもってるんだ。「新しい事に挑戦して、新しい家で立ち直りたいとも思ってる。最近は切ってないし!」
本当だった。家を建て替える決心をしてからリストカットもレッグカットもやってない。私の精神状態も落ち着いてきているのも事実。
「そう。それは良かった。」大輝は安心して返事をしてくれた。これから始まる家づくり。希望に満ちた。




