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炎のエレメント

 火種があると燃えやすい。そしてその炎はいつまでも燻ぶって鎮火しない。炎のエレメント。


 健太と美佐子が深い中になるのにそう時間は掛からなかったようだ。互いに既婚であり、子供もいる。巷でいう「ダブル不倫」ってやつだったがそんな安い言葉で表現できないほど。美佐子はこんなに好きになった男は今までいなかった。そしてその想いに健太も応えてくれるのだった。健太の焼けた肌。磁石のように肌と肌が吸い付き境界線が交わり境目がなくなる。こんな気持ちに今までなったことがなかった。健太は何度も何度も美佐子の中心の深い所を知りたかった。それに美佐子も全力で応え受け入れてくれるのだった。真由美とも違うこの温もり。この滑らかさ。香り。美佐子の柔らかなその唇。艶めかしさ。頭が真っ白になる。何も考えられない。ただ目の前の美佐子だけしか。これが溺れるということなのか。この代償の大きさにふたりは気づくことが出来ないほど燃え上がるのだった。


 美佐子は陽菜が学校から帰ってくるまでのほんの5分、健太と電話するのが每日の楽しみだった。この5分があるだけで何でも頑張れるし何でも我慢できた。

「私、離婚しようと思う。」

美佐子が切り出した。

健太は移動や打ち合わせの時間の隙間時間、その僅かな5分を美佐子の為に割く。この時間は煌めいていた。時間をやりくりして5分話すだけ。他愛もない会話。それすら愛おしいのだ。

「えっ?離婚⋯」

「あの人は、仕事頑張ってやっているし、娘のこともできる限り時間を作ってくれているのはわかる。でもね、こんなにやってあげているだろ!って⋯何が不満なんだ?って言うの。あの人、自分は完璧だと思ってる。私、なんだか每日息が詰まるの」

「宮島さん、離婚に合意してくれるのかな⋯?」

宮島さんとは一緒には仕事をしたことはないが、噂では聞いていた。やり手の人だ。

そんな時、宮島家の愛犬モカがワンワン!と陽菜の帰りを知らせていた。

「あっ!じゃあ、切るね。ゴメンね、また。」

今の会話、陽菜に聞かれてやいないよね⋯?

「おかえりなさい、陽菜。おやつ食べる?」

モカを抱っこしながら陽菜は俯きながらコクン、と頷いた。陽菜には美佐子の会話は聞こえていた。





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