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独り旅22
後ろに誰かがいると思っていなかったので、びっくり
してのけぞった。
「え?あ、ありがとう、拾ってくれて」
「でも、いいのかい?こんなにズタボロで、着られそ
うにないけど」
「確かに、着れないですね。捨てないとかな〜、あ!
そうだ、この魔法なら!」
そう発言した後、敗れていた部分がたちまち元に戻っ
ていった。
「よし!完璧、これで壊れる前に元通りかな?やろう
と思えば、やれるものなんだなー」
「え!そんな軽い気持ちで、出来るものじゃないと思
いますけど!」
すると、低い声がすこし遠くから聞こえてきた。
「すごいな、この支部一番の問題児が一撃でのぼせる
とは…、勝手に他人に迷惑かけやがって!」
次は、独り旅23 です。




