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独り旅16
理玖十は、別に犯罪をする訳ではないのに物陰にひそ
んで、盗み聞きをしていた。
「最近また隣国で、勇者の召喚があったらしいぜ」
「またかよ、今の勇者と呼ばれる奴らは、最悪な奴ば
っかりだからな〜」
「昔は良かっけど、本当やな奴らばかりだよ。なんな
ら、勇者に関わらず召喚された奴もだよ。」
「確かにな。せっかく大変な思いで召喚したの戦いき
らずにすぐに死ぬ」
「まぁ、そんな事ばかりだから、皆んな毛嫌いしてる
もんな」
話を盗み聞きしていると、今の自分には不都合な話題
のようで、どうすればいいか思考をめぐらせる。
「うん〜… とりあえず今から行く場所では、隠して
おこうかな。でも、嘘がバレるシステムとかがあった
らどうしよう…しかたないなるようになれだ、よし!
行ってこよう」
次は、独り旅17 です。




