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その男Ethan  作者: ゲイビ女
6/6

Ethanのこと


ようやく私の神。

推し。

Love。

Ethanの登場である。




そう、かよさんに送ったスクショ。そのゲイビに出ていたのがEthanだったのだ。


あまり詳しく書くと何処かからお叱りを受けるかもしれないので大分端折って書くが、カレッジのフットボールチームがあってそこに特別コーチ(彼氏あり)として来た男性がまんまとEthanと浮気する。そんなストーリーだ。


私は元来細身の、ヒョロっとした色白の男性に惹かれる質なのだがEthanはまるっと正反対。

色は黒め、髪もそんなに長くないというかモヒカンのように頭の中央ラインだけ長い変わった髪型に、体に至ってはムキムキの筋肉マンなのだ。


なのに何でだろう。

一目見た瞬間に恋に落ちた。

その昔、うさぎちゃんは言った。

「誰でもみんな胸の中に星を持っているのよ そして胸の奥が熱いのは星が輝いている印なの」


私の中の星が輝いた。


相手役はHugh様という、これまた更にムキムキtattooだらけの、日本だったらそちらの方ですか?と伺いたくても伺えないような厳ついおじさんに組み敷かれる美青年Ethan。

恥ずかしそうにHugh様を誘惑する小悪魔Ethan。

顔の割に可愛い声出してしまうEthan。

Hugh様のキスが執拗くてちょっとイラッとしているところも尊いEthan。

絡みについてはこれは18禁なので省くがどのEthanも素敵も素敵、超サイコーなのだ。



私は身悶えた。

この萌を誰かと共有したい。

オタクなら一度は持ったことがあるだろう燃え盛る衝動に身を焦がす。

誰かにこのゲイビ観て欲しい。

でも誰かにはい、と貸せる種類の映画ではないことは分かってる。


私はまずTwitterに駆け込んだ。

きっと仲間がいるはず。

きっと仲間になってくれる人がいるはず。

結果は撃沈だった。

フォロワーさんの中にゲイビを愛でる人はいたのだが、この作品は全く琴線に触れなかったらしく上手い具合にフェイドアウトされてそれから絡まなくなった。


一般の方で理解してくれる人はまずいないし、そもそも探し方も分からない。身近でゲイビの話を出来るような人っていったら、その頃まだかなさんとそこまで仲良くなかった私には姉か夫しかいない。


でも二人ともへぇ〜とは言ってくれるだろうが共感は得られない。

そんなの共有ではない。

ただの呟きと一緒ではないか。

そんなのを求めているワケではないのだ。



モヤモヤに苛まれた私が取った道は「自己創作活動」だった。


この映画?のただ一つの欠点は「ラストが中途半端」ということ。

もうほんと観ている人に大きな、大きなモヤモヤを残したまま終わるのだ。


「その先なんてどうでもいいじゃん」とは夫の言葉。そう、男性にとってはストーリーって意外にどうでもいいらしい。

大事なのは中身、それも性癖の部分だけしか見ない、なんて乱暴な事まで言う夫に心の底から呆れてしまった。


腐った女子はそれでは満足しないのだ。


そこで私は自分なりの結末、というか彼らの物語を勝手に書き始めた。妄想の中で結婚までさせた。

これは同人界隈の所謂ナマモノに当たるのだろうか、いやどうせ私しか読まないしそんなん別にいいか、外国人だし。なんて書き始めたら短編だけで一週間で15本も出来てしまった。


どれだけあのエンディングにフラストレーションを感じていたかお分かりいただけるだろうか。



それと並行してEthanの作品漁りを進めた結果、約6年で30本くらいの作品に出演していることが分かった。

これは多いのか、少ないのか。

まあ普通って感じではないだろうか、むしろ少ないのかもしれない。


え、まさか。

Ethanって人気ない…?そんな心無い言葉が頭を過ぎる。

でもいいのだ。

それがいいのだ。

出過ぎてたら調べるのが大変ということもある。



ところで海外のゲイビで、日本の多くの腐女子が受け入れがたいのが「リバ」ではないだろうか。

私が落ちたフットボールの話ではリバは起きないのだが、海外ゲイビでは結構な割合でそれが一作品中に何回も起きる。それはもう当然の如く。


それはEthanの他の作品も例外ではなく、何作品かでそれをやっていたのだけれども、そっと携帯を閉じるに至った。


やっぱりフットボールの作品で組み敷かれる彼はピカイチに輝いているように見えるのだ。いや、輝いている。

これは何十回も同じシーンを繰り返し閲覧し、キスを交わす口元を拡大し、夫と子供が寝静まった後イヤホンをして二人が囁きあう睦言を聞きまくっていた私が断言する。

キモイなぁ。


ちなみに。

毎日のように、ではなく毎日Ethanの痴態を観ては「はぁぁぁ、尊い」なんてやってる私はEthanを性的な目では全く見ていない。彼とキスとかその先のアクティブな事をしたいとか一切思っていない。彼はそれを生業にしているリアルな人間にも関わらず。

まあ彼がゲイであるが故、私はそもそもそんな夢を持つ土俵に立っていないのかもしれないが。




あぁ、会えないからこそ燃える。萌える。

絶対会えないもん、海の向こうの人だから。

最近ゲイビにも出演してないし(この時点で既に三年未出演)、Onlyfans※も登録削除してるし、InstagramもTwitterも更新止まってるし。

生きているかどうかも分からない。


だから安心して推せる。

間違っても会うことはないから。


そうだ、もしいつかEthanに会うことが出来たら「今までで一番良かった作品は?あの、Hugh様とのやつですよね?」って言ってみたい。


思い出話を聞かせて欲しい。

なんならオフショとか携帯に残ってないだろうか。


そんな妄想を膨らませても大丈夫。

会わないから



あぁ、Ethan。

貴方に夢中。




※Onlyfansとは、オンライン上の個人ファンクラブ。多くの海外ゲイビ俳優さん達が登録しており、限定動画や写真をアップしている。メッセージのやり取りも可能。コロナ禍で多くの性産業が廃ったことから俳優さんたちの貴重な収入源となっている。


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